こんにちは!ふるもーす(@frumosart)です!
今回はデジタルイラストを色塗り(基本べた)する際、色が変に見えてしまう原因と配色のコツについてを私なりの個人的意見も交えまがらあれこれ語っていきたいと思います。
私は線画に色を塗る際にいつも
・全体の統一感がなくチグハグな絵になってしまう
・色を塗ると一気に台無しになる
といった問題(?)を抱えていました。
自分には色塗りのセンスがないんだ・・・
線画なら描けるのにどうして綺麗に塗れないんだろう・・・
色を塗った後の絵がひどすぎて凹むことも日常茶飯事でした。
あれこれ悩み、色々なことを試して工夫した結果、色が変になる理由が見えてきました。
そこで、今回は私と同じように色で悩んでいる方のために
・色がちぐはぐになる原因
・配色のコツ
をシェアさせていただきますね。
あくまで私の場合の話なので、描く絵のジャンルによっては全部が全部参考になるかどうかは分かりませんが、気になる方は是非読んでみて下さい。
目次
配色本を使っても意味がない?色塗りが苦手な私が抱えていた悩み
まず最初に言っておくと、私が描いているデジタルイラストは陰影もぼかしもないただの簡単なべた塗りイラストです。
鉛筆で描いた線画を取り込み⇒対象を選択⇒バケツツールでべたっと色を置く
という風に非常にシンプルかつ単純なものなので、いわゆるpixivで活躍する「神絵師」のようなイラストではございませんのでそこはご注意を。
・丸みのあるゆるキャラ風の動物
・ムーミンやドラえもんのような単純なフォルム
・子供向けの分かりやすい絵
・背景も簡素かつ単純なもの
こういう系統の絵を描いています。
元々鉛筆の白黒線画を描くのが好きなのですが、YouTubeに紙芝居風の動画を投稿することになったため、急遽デジタルイラストを制作することになりました。
そこで、困ったのが『色をどうやって決めればいいのか?』ということだったんです。
元々色に対しては苦手意識があり、アナログ絵にしても自分のセンスで塗るとたまにひどい状態になってしまうことが多々あった私。
理想はパステルカラーとかふんわり淡い優しい感じの色使いに憧れていました。
でも、自分で色を選ぶと何故かメリハリがなくなってしまったり、逆にやたら派手派手になったりしていつもうまくいかないのです。
絵を描いている人は、一体どうやって色を決めて塗っているんだろう・・・?
そんな疑問に駆られた私。
配色本が役立つと聞いて、試しにいくつか買ってみたこともあります。
確かにそれなりに参考にはなるのですが、実際に配色本を使って色を置いてもうまくいかないことも多く・・・。
例えば、桜というテーマの配色のページがあったとして、それっぽい色がいくつか並んでいたとしましょう。
そのページ内の色だけ使えば確かに桜っぽいピンク系の色味の絵を作れます。
でも、そこで桜以外のページから色を選んでしまうと一気にチグハグな印象になってしまうんです。
こうなってくると、1枚の絵に使える色はその配色本のページ内に載っている色のみしか選べないということになり、選択肢がかなり絞られてしまうんですよね。
絵によっては色々なキャラや小物も出てくるし、使う色もバラバラになるし、一体どうすればいいんだろう・・・と困ってしまったんです。
イラストの色塗りが下手・変に見えてしまう4つの原因とは?私の場合
配色本を買っても使いこなせず、さらに悩みは深まるばかり。
絵は単一の要素よりもパッと見の印象が意外と大事だったりします。
第一印象でなんか変・・・と感じてしまうのは、色のバランスや全体の配色に何かしら違和感を感じているから。
これは分かっているものの、その原因が何なのか分からない。
色々悩み、試行錯誤していく中で、
何故色がチグハグになるのか?
その原因がようやく分かってきました。
それが次の4つです。
・トーンがバラバラだった
・色を使い過ぎていた
・色の組み合わせを知らなかった
・目立たせたい色を決めていなかった
これらについて一つずつ解説していきますね。
トーンがバラバラだった
なぜ色がちぐはぐに見えるのかというと、その原因の一つに
・トーンが合っていない
・1枚の絵の中で使っている色のトーンがバラバラ
という問題がありました。
トーンとは日本語では色調といい、明度と彩度が似ている色を集めてグループ化したもののことを言います。
この辺の話はちょっと難しくなるのでアレですが、要は色にはある程度グループがあるということです(超ざっくりですが)。
鮮やかで派手な色のグループもあれば淡くてぼんやりした色のグループもあるし、全体的に暗くて濁ったような色のグループもあります。
だからこそ、ある程度1枚の絵の中でトーンを合わせないとちぐはぐな印象になってしまうんですね。
【トーンの例】
・ペールトーン
・ライトグレイッシュトーン
・ソフトトーン
・ダークトーン
・ビビッドトーン
同じ茶色という色でも「淡い茶色」もあれば「鮮やかで強めの茶色」もあるわけで、これは単に使っている茶色の種類が違うとかいう問題とは別の話です。
同じ焦げ茶色でも淡い焦げ茶と鮮やかな焦げ茶、どよーんとした焦げ茶色なんかがあるってことです。
これこそがトーンの違いによるものなんですね。
・鮮やかで元気なイメージの絵
・暗くてどんより濁った絵
・優しくてふんわり淡い感じの絵
これらは使う色のトーンによって印象が決まってくるんです。
トーンが合うと絵にまとまりが出るので、パッと見も自然な印象になるし全体の統一感が出てきます。
でも、例えばキャラの身体だけはソフトなイメージの茶色を使って、後ろに生えている木は鮮やかでビビット寄りの緑にして、空はくすんだスモーキーな青色にしよう!
こういうことをやっていると全体的にまとまりが出ず、バラバラな印象の絵になってしまいます。
私はトーンという概念を知って、そこでようやく
今まで自分が描いた絵は色のトーンが合ってなかったからどこか違和感を感じていたんだ!
と気付きました。
トーンには色々な種類があり、人によって好みは分かれます。
洋服で例えると分かりやすいですね。
・原色多めのド派手な服が好きな人
・ダークで深みのある大人っぽい服が好きな人
・パステルカラーの女の子っぽい服が好きな人
・全体的にぼんやりした色の服が好きな人
まずは一つ好きなトーンを選んで、そのトーンの範囲の中から自分が使う色を選んでいくと、どの色を使ってもトーンが合っているので絵に統一感が生まれ違和感を感じなくなります。
私自身も自分の描く絵に合いそうな色を探した結果、北欧色でよく使われているとグレイッシュトーンというものに辿り着きました。
それ以来、北欧色(グレイッシュトーン)の中から使う色を選ぶことで色決めがすごくやりやすくなったんです。
キャラや景色を塗る時も
・北欧色縛りで選べば大体どの色を使ってもしっくりくる
・使う色が多めでも北欧色の範囲内なら不思議とまとまりが出る
ようになったので、トーンという考え方は絵を描くにあたってはすごく大事なものだったんだなと実感。
ちなみに、トーンを決めるまではこんな感じの色遣いをしていました。
どこかちぐはぐに感じませんか?
これから見ても分かるように、トーンについての理解を深めることはとても重要なのではないかと個人的な体験からも思うわけです。
色を使いすぎている
どうせ描くならカラフルな絵にしたい!
そう思って、ついつい色々な色を使おうとしていたのも色がチグハグに見える原因の一つでした。
赤、青、緑、オレンジ、ピンクetc・・・
1枚の絵の中で全部の色を使おうとすると、とっちらかってとんでもないことになります(汗)
使う色が少なすぎても寂しい印象になってしまいますが、多すぎてもガチャつくしうるさいだけです。
色がとっちらかった絵はやはり統一感に欠けるので、見る側も目が疲れてしまうんですよね。
もちろん、そういうあえて目がチカチカするようなサイケデリックな感じの絵を描くなら別ですが・・・。
ある程度使う色味や系統を絞る(3色くらいがいいらしい)ことも絵にまとまりを出すうえでは大事なことです。
今回はピンク系と青系でまとめてみよう!とか大まかにでも使う色の系統を絞るだけで統一感が生まれますよ。
色の組み合わせ方(配色のコツ)を知らなかった
色の組み合わせによって同じ色でも全然違った色に見える。
こういうことってよくありますよね。
オレンジ色を青い空の中に置くのと、燃え盛る炎のような赤い色の中に置くのでは大分イメージが変わってきます。
オレンジと青はお互いに反対の色なので目立ちますが(補色と言います)、逆にオレンジと赤は色相環で言うと隣り合った色なので馴染んでしまうため、あまり目立たなくなってしまうんですね。
もしオレンジ色を目立たせたいのなら、赤の近くに塗ったのでは効果がないですよね。
こういった色の組み合わせ方についての考え方を私はあまり知らなかったんです。
それまで使いたい色を好き勝手に使っていて、どうすればその色が綺麗に見えるか?なんて考えてこなかったので・・・。
むかーし、美術の授業でうっすらと色相環の図等は見たことありますし、補色とか反対色とか言葉だけは何となく知ってはいたけれど、ちゃんとした知識がなくて本当に適当に感覚で塗っていました。
でも、それだと色の良さを引き出すどころか、むしろ汚くなってしまうことも多く・・・。
絵を描くなら、色相環や補色といった最低限の知識は知ってた方がいいなと改めて感じましたね。
目立たせたい色を決めていなかった
1枚の絵の中で一番目立たせたい色は何か?
これについて考えていなかったのも、絵に違和感を感じてしまう原因の一つでした。
・絵の中のメインのモチーフに使う色
・メイン以外の背景やちょっとした小物に使う色
これらをどれも同じくらいの濃さや明るさで塗ってしまっていたんです。
要は色にメリハリ(差)をつけてなかったんですね。
私の場合、絵の中で一番見せたいのはキャラクターです。
だから
・キャラクターが持っている食べ物や食器
・背景の木とか湖とか岩
こういうものがキャラクターよりも目立ってしまってはダメなわけです。
キャラクターよりもテーブルに置いてあるリンゴに目がいってしまったり、後ろに描かれている湖の青がやたら鮮やかになってしまっては絵として成り立ちません。
あくまでも見せたいのはキャラクターであり、背景や小物はキャラに馴染むものでなくてはいけない。
これが鉄則で、そのうえで全体的な統一感を持たせねばならない。
なのに私は、キャラよりもリンゴを鮮やかな赤で塗ってしまったり、背景の空をやたら濃い青で塗ってしまったりしていました。
そのせいですっかり肝心のキャラがかすんでしまって、結局何を見せたい絵なのかが分からなくなるという失敗を何度も繰り返していました。
ちなみに私はメインの動物キャラを薄い茶色で塗っているのですが、この場合だとキャラの薄い茶色よりも他の色が目立ってしまってはNGです。
あくまで他の小物や背景で使う色はこの薄茶を引き立たせる色、もしくは馴染んで見える色にしなければなりません。
メインとサブで要素を分けた場合、サブはメインの引き立て役になってもらう必要があり、色同士が喧嘩してしまってはダメなのです。
最初はこの辺がよく分かっていなかったんですよね。
逆にこれを意識し始めてからは、デジタルで色を塗る時に自発的に注意するようになりました。
さだまさしさんの歌で関白宣言という歌があるのですが(古いネタですいません)、それを替え歌にして
「キャラより先に~♪目立ってはいけない~♪」
という標語を作り、自分の中に掲げることにしました(笑)
実際、色塗りの最中に配色をうっかり間違えそうになった時は「キャラより先に~♪目立ってはいけない~♪」と戒めの代わりに鼻歌を歌っています(´ω`*)
イラストや絵が汚くなる原因と配色のポイントまとめ
というわけで、デジタルで色を塗る際に「どうして色が変になってしまうのか?」についてを私個人の体験も踏まえてあれこれ語ってみました。
イラストや絵を描くにあたって、色使いというのは非常に大事になってきます。
どんなに凝った構成で細かい下絵を描いたとしても、色塗りが変だったらそれだけで下手くそな絵に見えてしまうんですよね。
デジタルで塗るならべた塗りが一番簡単です。
特に何の技もいらないので機能さえ覚えれば子供でも描けてしまいます。
べた塗りで絵に違和感を感じるということは、それはつまり色が変、色の使い方がおかしいということに他なりません。
逆に色が綺麗なら、それだけですごそうな絵に見えることだってあるんです。
それくらい色って重要視される要素なんですね。
色塗りが苦手という方はまずは
・トーンを決める
・使う色味を3色以内に絞る
・配色の基礎知識を最低限覚える
・メインになる色を決める
こういったことを意識してみましょう。
私も色塗りには本当に苦手意識があって、美術的な知識がないのに綺麗な色使いが出来る人を見ては羨ましいな・・・なんて思ってはしょっちゅう凹んでいました。
色彩感覚なんてどうせ個人のセンスだし、自分は生まれつき色のセンスがないから何をしたってダメなんだ・・・
そう思ってしまいがちですが、ちょっとしたことに気を付けるだけでも絵の印象ってガラッと変わります。
現に私がそうだったので・・・。
なので諦める前に試してみてほしいと思います。
自分の絵の何がダメなのか?
どうしたらよくなるのか?
をまずは自分自身で客観的に理解したうえで、色塗りや配色のコツを押さえればまだまだ絶対に上手くなると思うので一緒に頑張りましょう!
近道はないのでやれることからやっていきましょう。
それでは、楽しい絵描きライフを!
ちなみに、私がやっている創作活動についてはこちらのインスタアカウントでチェック出来ます⇒@frumosart
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