たんぽぽが咲き乱れる神話の里、朝霧に包まれたロドピの山々、出来立てのヨーグルトを口にした時の驚き・・・。
姉妹で歩いたブルガリアの旅を1冊のエッセイにまとめている最中、何度も当時の写真を見返しては、あの時感じた風や心の震えを思い出していました。


とっておきの1枚を選ぶたびに、記憶の片隅に眠るあの場所へと心が引き戻される。そんな感覚を抱きながら、このライナーノーツを書いています。
こんにちは、ふるもーすです。
今回は、新刊『姉妹で旅する世界エッセイブルガリア編3 中央ロドピと神話の村──アートな街とヨーグルトのふるさとへ』の発売を記念して、この巻の舞台となったプロブディフ・モムチロフツィ・シロカラカの「思い出の断片」を整理しました。

「なぜこの場所を書き残したかったのか?」という自分なりのこだわりから、
・現地で出会った忘れられないガイダの音色
・ブルガリアの民族舞踊
・プロブディフの歴史ある街並み
・アットホームなゲストハウスでの交流
・素朴な民芸品
といったリアルな旅ログまで、本編を補完する形で構成しています。

検索から「プロブディフの旧市街やブルガリアの村の美しい風景」を求めて来てくださった方にも、いつも活動を応援してくださっている方にも、「まだ見ぬブルガリア」への好奇心を刺激する内容を目指しました。
それでは、1冊の本が生まれるまでの、美しくも泥臭い旅の記録をどうぞお楽しみください。
自分にとって3巻はどんな巻になった?

まず最初に、私がこの3巻に込めた想いからお話ししたいと思います。この巻は、ブルガリア編全6巻の中では最長になりました。
構成としては
・文化都市プロブディフ観光
・本場のヨーグルトを食べにモムチロフツィ村訪問
・音楽の村シロカラカで感動の別れを体験
・神話の村ゲラで見た神話の風景
・白雪姫の塔スネジャンカで絶景を拝む
という盛り沢山な内容になっていて、執筆中はどこに力を入れようか配分に悩みました。
結果的に、かなりの分量にはなりましたが、
・ブルガリアの大都市と小さな村
・伝統的な食や家庭料理
・おとぎの国のような大自然の絶景
を詰め込んだブルガリアの多様な面を味わえる巻になったと思います。
素敵な出会いやほっこりエピソードも多く、個人的に濃密な体験ができたエリアでした。
3巻でこだわった点・お気に入りポイント

今回は現地での心温まる交流が多かったのもあり、地元の人とのやりとりを沢山描きたかったんですよね。
なるべくリアルな会話やテンポ感、各人物のキャラクターが読者にも伝わるような描写を心掛けました。読み進むうちにそれぞれの登場人物に愛着が湧いてくるような感覚になってもらえたら嬉しいです。

また、山の絶景や村の景観の美しさもこの巻の見所の1つ。まるでその場にいるかのような臨場感や躍動感、光の揺らめきや空気感なども含めて、読者に伝わるよう繊細でエモーショナルな表現にこだわりました。
目を閉じたらロドピの村々の風の匂いや木々のさざめき、陽光にきらめく光の粒や空の動きが脳裏に浮かんでくるような、そんな情景を描きたかったんです。
3巻で大変だった点

やはりボリュームが多かったので、単純に書くのが大変でした汗。見せたいシーンが沢山あったので、一つ一つ綴っていくと結構な時間がかかってしまい、
「これだけ書いたのにまだここまでしか進んでないのか・・・」
「うげげっ、まだこのエピソードも書いてないや」
と先を考えると気が遠くなりかけたり。でも、苦労した甲斐あってブルガリア編全6巻の中で一番読み応えある巻になったんじゃないかなと。
ブルガリア編第3巻の表紙と選定理由

今回表紙に選んだのはこちら。
撮影場所はスモリャン地方にあるシロカラカという小さな村。階段を下りる姿を斜め後ろから撮影したもので、山の雄大さと赤い屋根に石畳という可愛らしい村の風景をやや俯瞰気味に写したものです。
このエリアも本当に自然や村の景観が美しくて、いい写真もモリモリ撮れました。

第3巻のメインテーマは、2巻に続いてロドピの山々の雄大な風景とスモリャン地方の小さな村の美しさ、そこに暮らす人々の営み。
村の美しさやエモさを1枚で体現できるような写真を使いたくて、悩みに悩んだ結果、朝のシロカラカをバックにした人入りの写真をチョイス。
ちなみに、個人的に思うこの写真の魅力と表紙としての強みはこんな感じ↓
・物語性:後ろ姿+階段が「旅の途中感」を演出、ストーリー性強し
・シリーズ感:1.2巻同様に女性が映ることで姉妹らしさを表現
・村全体の眺め:奥の山々まで見渡せ、深みのある色合いで村の美しさが伝わる
・見下ろす構図:ドラマ性や旅情がありブルガリアの村巡り感を演出
・表紙向き:トリミングしてもバランスが崩れにくくフォントを置きやすい構図
ドラマ性とキャッチーさが揃った構成美と、表紙の中央に人の後ろ姿を配置できて収まりがいい点も含めて、写真全体の完成度も◎。旅の感情が静かに伝わる1枚に。
表紙写真撮影裏話

この写真はシロカラカ滞在2日目の朝に撮影しました。標高が高い山間の村というローケーションゆえ、常に雲が多く曇天模様という撮影者泣かせなシロカラカ。
しかし、午前中に村を練り歩いていたら突然雲間から光が差し始め、村全体が陽光に照らされて明るった瞬間が・・・。これはチャーンス!とばかりに映えそうな写真を撮りまくり!!
太陽の光が出ている時間は非常に短かったものの、せっかくのシャッターチャンスを存分に生かした結果、いい写真が撮れて大満足。
実は、この写真を撮るために何度も階段を往復するという陰の努力があったのですよ。
絶妙な動き(かかとを上げて靴底が見えている左足の細かいポーズがポイント笑)を再現しつつ、納得いくまで何度も撮り直した末の苦労の1枚ということもあってかなり気に入っています。
いわゆる奇跡の一枚って一発撮りではうまくいかないものですよね。
デザイン裏話

文字入れに関しては、1・2巻と同様に文字列を中央寄せにするか、もしくは左寄せにするかで迷いました。
タイトルを2段に分けて配置するアイデアもあったのですが、色々いじくりまわした結果、区切りのいい箇所で3段に分割して左寄せにするデザインに決定。
サブタイトルもそれに合わせて人物にかかるように3段+左寄せで配置してみました。フォントは白と例のごとく文字を浮き出させるためのシャドーをつけて、シンプルだけど見やすい色味に。
全体的に少しおしゃれ感(?)もありつつ、写真集ぽさもあるデザインになったかな~なんて思っています。
表紙画像ボツ案公開
今回も残念ながら表紙候補として挙げられながらも、あえなくボツになってしまった写真たちを大公開!
どの写真もロドピ地方の魅力である、緑あふれる村々の美しさ、静けさ、郷愁、そして自然との調和が感じられるものとなっておりますので、「ほう、こんなのもあるのか」と楽しみつつ見ていただければ。

まずはモムチロフツィで撮った十字架と空の写真。
山と空、巨大な十字架というインパクトある構図が少々神秘的で荘厳さを感じさせ、ドラマ性あり。文字を置ける空の余白が十分にあって配置しやすそうだから表紙適正は◎。
ただ、人物がいないため姉妹旅の視点としては少し弱い気も・・・。シリーズの統一感には欠けそうかな。視覚的インパクトは強いけど「旅人の視点」がない分、表紙より章扉や挿絵に向く印象です。

お次はモムチロフツィの村全景を写した写真。
鮮やかな屋根と緑、パノラマ的に広がる風景が絶妙で、「村の魅力や美しさ」を伝えるのにはぴったり。第3巻のテーマ性には合致しそう。
上部に空、下に村と、文字配置やレイアウトしやすい構図もグッド。ただし、さっきの写真同様に人物不在なので、シリーズ感(旅する姉妹視点)がやや薄れるのが難点。

3枚目はシロカラカの村を見下ろす女性(私)。
左下に人がいて斜め上から俯瞰気味に村全体を見下ろすような構図で、個人的にはすごくお気に入り。最終候補まで残って、どっちを選ぶかで非常に悩みましたね~。
実はこれ、たまたま撮影時に一瞬だけ風が吹いて、ワンピースの裾が「ふわっ」と膨らんだのですが、この瞬間が非常に絵になるというか偶然の賜物だったりして。
人の後ろ姿があり、旅の一瞬を切り取ったような構成でシリーズ性は十分。村の家並み、川、山々が連なり、視線誘導も優秀で奥行き感もあります。
手前の資材がやや気になるけど、これはトリミングで調整可能なので画角にも問題ナッシング。1・2巻と統一感を持たせつつ、村を見下ろす旅人の視点がしっかり表現された、非常に表紙向きな1枚。
ただ、表紙にした方の写真とこの写真を比べた時に、表紙写真の方が動きがあってリアルで旅感がより出そうだなとも感じて、涙を呑んでボツにしました。
ペーパーバック版の縦型サイズに調整した際、人が左端より中央にいた方がタイトルを付けた時にバランスいいかなと感じたのもこれを落とした理由の1つ。

4枚目はゲラ村の牧歌的な風景と道を切り取った1ショット。
羊とカーブした道が印象的で、絵本のような美しさが牧歌的。風景写真としてはめっちゃ好きなんですよね。黄と緑の彩度が高く、比較的カラフルで爽やかな印象なのですが若干ポップに寄りすぎるかも??
人物なしで、シリーズ感がないのでナレーション的な印象になる可能性も無きにしも非ず。 結果、本文挿絵や章扉に最適だけど、表紙にはやや柔らかすぎるという結論になりました。
表紙選びって難しい。

最後はゲラ村のタンポポ畑。これも大好きな写真。広がる花畑と背景の山々が優しい印象で、夢のような草原がファンタジックで詩的な雰囲気。旅エッセイより詩集向きかも?
草原で文字が埋もれやすく、フォント処理が難しめなのと、全体的にやや印象派的で抽象性が高く、シリーズの一貫性から少し離れる印象なのでボツになりました。
裏表紙写真

裏表紙は大好きなゲラの写真を選出。ゲラの夢のような美しい風景は本を制作するってなった時にどこかで絶対出したかったんですよね。
人物のいない風景写真だから表紙に使うと地味で目立たないかなと思って採用できなかったんですが、裏表紙ならサイズ的にも丁度良いし、雰囲気もバッチリ。

ここで日の目を見れてよかった。
写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第3巻・プロブディフ編

さて、ここからは旅行中に撮った豊富な写真とともにブルガリア編第3巻の内容をザザッと振り返りつつ、個人的な想いやエピソードを紹介していきたいと思います。
まずはアートと文化の匂い漂う商業都市、プロブディフから。
歴史的建造物や趣のある街並み、異国風のカフェやインスタ映えなカフェなど色々なテイストが味わえる街で、普通に観光してて楽しかったです。
ヒンドリアンハウスやローマの円形劇場も♪プロブディフ観光名所巡り


プロブディフ旧市街は観光スポットが盛り沢山。ハウスミュージアムと呼ばれる富豪の邸宅やら毎日何かしらイベントが行われている円形劇場やら、かと思えばコロッセオのようなローマの遺跡があったりと見ていて飽きませんでした。
カラフルな邸宅群を横目に石畳の道を歩いているだけで歴史散歩をしているようなワクワク感があるんです。

ハウスミュージアムの中でも個人的にすごく気に入ったのがヒンドリアンハウス。各部屋の内装がもうゴージャスすぎて調度品や装飾品など舐めるように見させてもらいました。
こんな家に住んでみたい・・・。
ブルガリアの民族衣装体験も!スタジオで撮影会

せっかくだからブルガリアの民族衣装を着て写真を撮りたい!という乙女心からフォトスタジオに突撃したことも。

撮影も緊張したけど楽しかったし、出来上がった作品もお土産にぴったりだしで、めちゃくちゃいい思い出になりました。
グルメの街プロブディフで食事・グルメ満喫♪レストランとカフェ

プロブディフは実はグルメの街!レベルの高いレストランが目白押しということで、私たちもいくつか気になるお店に入ってみましたよ。

現地人から教えてもらった一押しレストランが美味しすぎて大興奮!

スペアリブの引き締まった肉質とサクサク衣のコロッケの味が忘れられない・・・。

やっぱり女の子だもん、おしゃれなカフェにだって行きたいよね★(誰だよ)

絵になりすぎる素敵カフェでインスタグラマー気取りで映え~!なメニューを注文したりして。

ヨーロッパとアジアの文化がミックスされたブルガリアならではのエキゾチックなトルコ風カフェ。砂コーヒーにバクラヴァと異国風の味わいを堪能。
写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第3巻・プロブディフ編

今回のブルガリア旅行のメインテーマの1つが「本場のブルガリアヨーグルトを食べる」こと。ヨーグルト発祥の地ともいわれるモムチロフツィ村へ向かった私たちを待ち受けていたのは・・・地元の人々の温かいおもてなしでした。
モムチロフツィで宿泊したアットホームなゲストハウス

ウッディな雰囲気のツインルーム。

ゲストハウスのオーナーの奥さんが作った伝統的な製法の本場のヨーグルト。もっちり濃厚で感激!
民族楽器ガイダやブルガリアの伝統舞踊も♪モムチロフツィ観光

モムチロフツィではラッキーなことに地元文化に触れる機会も多数ありました。

ロドピ地方の民族衣装を着た女性陣の民族舞踏は華やかで圧巻。


地元の子供たちとも仲良くなって、神秘的な教会や彼女たちが通う学校を巡ったりと楽しいひとときを過ごしました。

何故か地元の男たちとビール片手に宴会が始まったり・・・笑。のんだくれ・へべれけシスターズ再降臨!

村の全景を拝むために上った丘から見た景色とは・・・この続きは是非本編で。
モムチロフツィでブルガリアの村の家庭料理を満喫

モムチロフツィでは素材の味を生かしたナチュラル・オーガニックな食材を堪能しました。

宿で食べた郷土料理は全て手作りでどれも美味!やっぱりその国の家庭料理が一番美味しい気がします。

村祭りの屋台で食べたブルガリア料理キョフテが美味しすぎて・・・。溢れる肉汁とみっちりなお肉の塊に涎が止まらない!
写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第3巻・シロカラカ編

とある目的で訪れたスモリャン地方にあるシロカラカ。ここでは、旅の途中で偶然出会った相棒とともに楽しい時間を過ごしました。
彼との心が温まる優しくて泣けるエピソードは本編にて!
シロカラカ観光と宿泊・音楽学校や美しい山村風景と街歩き

ドライブ中に立ち寄ったシロカラカ近郊にある標高2,000メートルの丘(?)。てっぺんに立つ教会と十字架が意味深でちょっぴりミステリアス。
風が骨身に染みるようでとにかく寒かった!




夜は物音ひとつしない静かな村。この静寂がたまりません。
シロカラカで食事したレストラン・カフェとグルメ体験
シロカラカでも地元の郷土料理を食べたり、素朴で手作り感満載のカフェでお茶したりとグルメもそれなりに楽しみました。

宿の朝食に食べたブルガリア版フレンチトースト・パジェニフリーク。


写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第3巻・ゲラ編
お次は、シロカラカから6キロ程離れたゲラというとっても小さな村。実はここ、今回のブルガリア旅行で個人的に一番印象に残った場所でした。
本当におとぎの国のような絶景が広がっていてまるで別世界に来たかのようで・・・。たんぽぽの咲き乱れる可愛らしい草原と牧歌的な光景は今でもしっかり目に焼き付いています。

ギリシャまであと6マイルという看板が旅情を掻き立てる。そう、国境は、もうすぐそこなのです。

晴れていたらさらに美しい景色が広がっていたんだろうな~と感じさせる夢のような時間。ここで見た景色は絶対忘れない。
写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第3巻・スネジャンカ編
3巻の最後は、地元男性が連れて行ってくれたブルガリアのスカイツリー的存在である白雪姫の塔という観光名所。現地の人はスネジャンカと呼んでいました。

見た目もスカイツリーっぽくてびっくり。

高さは2,000メートル近いので、やはりとんでもなく寒い!そしてめちゃくちゃ風が強い。ここではまさかの笑える珍事件も発生して大爆笑。
ブルガリア3巻だけのkindle独占エピソード紹介
3巻は他の巻と比べても地元の人々との交流が濃密だった気がします。そのおかげで、ブルガリア人の個人的な思想なども色々聞くことが出来て学びも多かったんですが、いかんせんネタ的に絶妙なものも多く・・・苦笑
特にモムチロフツィの住人達とのリアルなやりとりに関しては、YouTubeではあえてサラッと流して終わらせていたりして。
その代わり、動画の中であえてカットした部分をkindleの方で詳細に書いているつもりです。というのも、見る人の立ち位置や考え方によっては少々物議を醸しそうな話題が頻出していたので・・・。
テーマによっては好き嫌いが分かれる場合、どうしても変な人も湧いちゃいますからね、そういう部分で荒れるのは嫌だなと・・・汗
YouTubeの簡潔なテロップだけだと文脈的に伝わりにくい話もあるゆえ、「この会話はあえて載せる必要もないな」と判断した結果、動画と書籍で出す部分、出さない部分を分けました。
最初から最後まで物語の世界観に浸れる本という媒体の方が、会話の内容や意図、ニュアンス等をその時のシチュエーションや心境と併せてより理解してもらえるかなという想いもあったりします。
おわりに
さーて、そんなわけで姉妹で旅する世界エッセイブルガリア編3のセルフライナーノーツを書かせていただきました!ここまでお付き合いいただき、どうもありがとうございます。
ブログでは写真を中心に旅の輪郭をなぞりましたが、Kindle本『姉妹で旅する世界エッセイ ブルガリア編3 中央ロドピと神話の村──アートな街とヨーグルトのふるさとへ』の中には、写真だけでは切り取れなかった「街の匂い」や、その時々の「私の心の独白」をさらに濃密に閉じ込めています。
動画よりも深く、ブログよりも鮮烈に。私と一緒に、もう一度ブルガリアの村を歩いてみませんか?
ペーパーバック版なら、美しい表紙とともに「旅情に浸れるとっておきの物語」として手元に置いておくのにも最適です。