燃えるようなレンガ色の屋根が並ぶ革命の村と、どこまでも続く深い青を湛えた黒海の水平線・・・
姉妹で歩いたブルガリアの旅を1冊のエッセイにまとめている最中、何度も当時の写真を見返しては、あの時感じた風や心の震えを思い出していました。
こんにちは、ふるもーすです。
今回は、kindle紀行本新刊『姉妹で旅する世界エッセイ ブルガリア編5 革命の村と黒海の街──コプリフシティツァとブルガスで過ごす夏』の発売を記念して、この巻の舞台となったコプリフシティツァとブルガスの「記憶の断片」を整理しました。

「なぜこの不便な山奥の村が、これほどまでに印象深く感じたのか?」という個人的な内省から、黒海沿いの街で過ごした開放的な夏休みの記録まで、本編を補完する形で構成しています。
検索から「コプリフシティツァの歴史」や「ブルガスの観光」を求めて来てくださった方にも、いつも活動を応援してくださっている方にも、「動と静が入り混じるブルガリア」への好奇心を刺激する内容を目指しました。
それでは、1冊の本が生まれるまでの、美しくも泥臭い旅の記録をお楽しみください。
自分にとって5巻はどんな巻になった?

まず最初に、私がこの5巻に込めた想いからお話しさせていただきますね。
5巻では
・革命の村コプリフシティツァ
・黒海沿岸の海の匂い漂う港町ブルガス
という2つの町を舞台に、そこで起こった出来事や面白エピソードを中心に綴っています。
この巻の魅力を一言で言い表すとしたら「ギャップ」でしょうか。

歴史の重厚さとの夏のリゾートの解放感が同居するというユニークな構成で、ある意味真逆のテイストを一緒に並べることでいい意味で物語としての対比が生まれたかなと。
1冊の中で全く異なる二つの顔を持つ巻であると同時に、ブルガリアの持つ二面性を感じられる巻になったのではないかと思います。

海を描いたシーンは全6巻の中でもこの巻だけ。だからこそ、自分の中でもちょっと特別感があるというか異色な感じもあったりして。
どことなく海辺のビーチの明るくリラックスした雰囲気が文章からも感じられるような気がします。
5巻のこだわりポイント

紀行本なので本文中に旅の写真はないのですが、文章でそれぞれの町の持つ空気感や雰囲気を存分に伝えようと頑張りました。
カラフルな邸宅群が点在し、歴史の重みと民族の誇りが交差する山間の町と、カモメが空を舞い、さざ波の音が聞こえる黒海のビーチ・・・という視覚的なイメージの変化がキモです。

それぞれの町が持つ特徴や個性を脳裏に浮かべつつ、「1冊でこんなに違う景色が楽しめるんだ!」と思ってもらえたら嬉しいですね。
ページをめくりながらブルガリアの黒海や革命の町のエネルギーを是非感じていただければ。
5巻でお気に入りのシーン

5巻はコプリフシティツァでの女子高生との交流や日本人旅行者との立ち話など、全体的に会話のシーンが多め。
だからこそ、なるべくリアルなやりとりを再現し、実際にその場にいるような臨場感や旅のワンシーンの覗き見感を出せるよう工夫しました。
あとはやはり猫のシーンですね。これは本当に自分でも信じられないというか、旅の神様がプレゼントしてくれた奇跡なんじゃないかなって思うくらい。
このエピソードを読んだ後でもう一度表紙を見ていただくと、きっと見方が変わるかと思います。
そして、ブルガスのメインというかハイライトともいえる爆笑エピソードは外せません。
自分で書いてても普通に「こいつら、アホだなぁ~」と笑ってしまって、今思うとよくやったな・・・とそのバカっぷり、無茶っぷりに呆れてしまいますね(遠い目)。
5巻で大変だった点
この巻には、ブルガリア旅行の中でも一番面白くて笑えるエピソードが入っているので、いかに面白く書くかで非常に苦心しました。
姉妹旅の楽しさと姉妹のバカっぷりをどう表現するか?
軽妙なやりとりでは会話のリズムやテンポ感、ノリをどう出しいくか?
といったことを色々試行錯誤。
その甲斐あってなかなかコミカルなエピソードになったかなと思います。
ブルガリア編第5巻の表紙写真と選定理由

続いて、5巻の表紙について色々熱く語っていきたいと思います。
今回、表紙に選んだのはコプリフシュティツァの町を見下ろす猫の後ろ姿を切り取ったもの。非常に絵になる一枚で、個人的にもブルガリアで撮った写真の中でも1.2位を争うくらいお気に入りです。
空が広く、山の稜線が目立ち、猫の存在が中央で印象的。山と村と猫、三位一体のバランスが◎。空も表情豊か。

表紙に関しては、コプリフシュティツァで撮った写真をどうしても使いたかったんですよね。
ブルガスの写真を最初から候補に入れなかったのは、海やリゾート感があまりにも強調されてしまうと、なんとなくこの巻全体のイメージから外れてしまうような気がしたから。
表紙に選んだ猫と村の遠景という構図は
・過去を見つめる視点
・旅人の視線
・のどかでありながらどこかロマンチックな郷愁
を同時に感じさせ、エモさと詩情が合わさったような印象で非常に表紙向きだなと思い、最終的にこちらをチョイスしたというわけです。
結果、自分としても満足のいく仕上がりになりましたとさ。
表紙写真撮影裏話
この写真が撮れたいきさつ自体がですね、まさに旅の神様がくれたギフトであり、旅ならではの偶然というかミラクルそのものでした。
一見すると、まるでAIで作った合成写真にも見えますが、これ、本当にこういうシチュエーションでリアルに現地でたまたま撮れたものなんですよ。
その具体的なエピソードを作品中に綴っているので是非読んでほしいです。
デザイン裏話

本巻もこれまでの巻に引き続き、白いフォントの色にグレー系のシャドウをつけ、文字列は左寄せで配置。段々このスタイルが自分的に馴染んできたような気がします。
写真を綺麗に見せるならこのデザインがいいかなとマイルールが少しずつ出来上がってきたというか。全6巻の中で唯一、人間ではなく動物が主役の表紙になっている点もレア。
そういう意味でも5巻は異色の作品となりました。
ボツ案公開
さてさて、続いては今回の巻で残念ながらあえなく落選してしまった候補写真たちを供養していきますね。
これに関してはいくつかベストショットがあって甲乙つけがたく、どれにしようか迷いました。
基本的に全部猫シリーズで、猫のポーズや視点がちょっと違うかな?くらいの誤差でしかないのですが、それが逆にこだわりの見せ所でもあるわけで・・・。

まずエントリーナンバー1番!猫が画面左下、空と雲の量が多め、というドラマチックな構図です。
広がりがあり「旅立ち感」や「ドラマ性」が強く、雲の立体感と光の差し込みが幻想的。ただ、文字の配置場所(特にメイン・サブタイトル)のスペースが限られそうなところが懸念点。
猫のポーズ的にはこれもいいなとは思ったのですが、文字入れたり拡大するとちょっと違うかなと。

お次はこちら。猫が画面中央寄りで街並みに焦点があたった構図。空の主張がやや弱まり、全体に落ち着いた印象。街並みがよく見え、猫との距離感が絶妙で暖かみもあります。
空が少し地味なので、表紙としての“惹き”はやや穏やかかも。

さっきのと似ているんですが、猫がもう少し中央寄り&背筋がピンとしていて存在感アップ。構図バランスが良く、猫のシルエットもキレイ。村と山の見え方も美しいです。
若干の単調さが出る可能性があるものの、フォントで補えば◎。静かな詩情と構図バランスが良く、絵になりますね。
最終的にこの写真と実際に表紙になった写真の2つが候補に残ってかなり迷いましたね。どちらも表紙向きなのは間違いないんですが、この写真だと「猫と村の対話感」や「のどかなエッセイ調」を重視したテイストになりそう。
逆に、「猫と村と空」の一体感とストーリー性を強調したいなら、空と山にドラマ性があり、旅のスケール感が出る方がいいかなと思い、この写真をボツに。
表紙1つとっても、こういった影の葛藤があることを知っていただけると嬉しいです。
裏表紙写真

裏表紙に採用したのは、陽光に照らされてきらめくグリーンがかった紺碧の青い海。
場所はもちろんブルガスです。せっかく黒海沿岸に来たんだから、ブルガリアの海沿いの風景はどこかで使いたかったんですよね。
コプリフシュティツァの風情ある街並みとはまた違う、明るい夏のブルガリアの風景がエモいなと感じたので。

オモテ面である「街を見下ろす猫の後ろ姿」とウラ面の青い海。表紙と裏表紙のデザインだけとってみても、この5巻の二面性を表現しているようだなと感じました。
写真で振り返るブルガリア旅行第5巻・コプリフシュティツァ編

さて、ここからは旅行中に撮った豊富な写真とともにブルガリア編第5巻の内容をザザッと振り返りつつ、個人的な想いやエピソードを紹介していきたいと思います。
まずはコプリフシュティツァから。
ブルガリアの歴史が動いた熱いエネルギーを持つこの町。実際に歩いてみると意外とのんびりした空気が漂っていて、川沿いの景色もフォトジェニック。
ここでは町を特に何の目的もなくゆるゆるとぶらついてお散歩しました。
コプリフシュティツァ観光紀♪革命家の町で邸宅巡りと川沿いを歩く

市内には民族独立運動の基盤を築いた人物の邸宅などが点在しています。こちらは作家兼ジャーナリストでもあるカロベロフ氏の邸宅。

プロブディフやメルニックもそうだったけど、ブルガリアにはこの手の施設が沢山あって飽きません。

晴れた日は川沿いをそぞろ歩くだけでも楽しい気分に。ちなみにここは標高1,000メートル超えの場所にあるので、曇りの日や夜間は結構冷えるんですよ。

川にかかった橋がこれまた絵になるんです。

石畳の道にカラフルな家並みや邸宅群がどことなくメルヘンチックな印象の町。昔ここを訪れた時は水車も回っていたような気がするんですが、この時は何故か水車自体見当たりませんでした・・・単に見逃しただけ??

高台から見たコプリフシュティツァの全景。晴天で少し日差しが強すぎたけど、ここから見える景色は沢山歩いたご褒美といっていいくらいの迫力!

市内の一番高いところにあるブルガリア独立の英雄・ベンコフスキー像。
コプリフシュティツァで食事したカフェ・レストラン♪絶品グルメに衝撃

ブルガリアで食べた料理の中でも最高レベルに美味しかった牛タン。一口食べて衝撃が走りました。え、こんなにジューシーなのってアリ!?と思わずパニックになってしまったほど笑

壺焼き料理やオリジナルのサラダなど、ここのレストランはマジでレベルが高かった!ウマすぎて滅!って感じでした笑

お待ちかねのデザートタイムでは、もっちりねっちりな水牛ヨーグルトもたっぷり堪能。
ブルガリア国内でも水牛ヨーグルトってなかなか見つからなくて、レストランやカフェで見つけた際はなるべく注文するようにしていました。
日本で水牛のヨーグルトなんて食べられないので。現地ならではの食文化を味わえるのも旅の魅力の一つだなと感じています。
コプリフシュティツァで宿泊したゲストハウスを紹介

今回泊ったのは田舎のロッジ風のゲストハウス。ウッディな雰囲気で暖炉があったり、寝室は屋根裏風の内装になっていたりと別荘に泊まりに来たような感覚を味わえて楽しかったです。オーナーもいい人でした。
コプリフシュティツァでのトラブルと出会い
コプリフシュティツァ編では、最初に町に到着した時と街を出る際の両方でまさかのトラブルに遭遇。いや、完全に自分たちのミスなんですけどね。
行きも帰りも無駄に焦ってあたふたしてましたが、それもまた旅ということで。素敵な時間を過ごせたからよし!

偶然にも現地のティーンたちと交流する機会に恵まれました。彼女たちとのリアルすぎる生々しい会話は10代の女の子たちならではの青春のきらめきがあって、すごく刺激をもらいました。
このやりとりも詳細は本編で詳しく書いてます。
写真で振り返るブルガリア旅行第5巻・ブルガス編

お次は黒海沿岸部にあるリゾート地・ブルガス。
そもそも今回の旅はバックパッカー的な旅のスタイルなので、ビーチだのリゾートだのとは少々無縁な私たち。それなのに何故こんな場所に来たのかというと・・・それはとあるスポットに行くことが目的だったから!
このお話はブルガス編で一番盛り上がる笑えるエピソードなのですが、ほんとにもう、個人的にインパクトが強すぎて。今思い返すだけでもニヤッと口元が緩んでしまいます。
黒海の泥でエステ体験!?ブルガス観光と海風に吹かれる港町散歩♪

釣り人がいたり、船が停まっていたりといかにも港町という景色が広がっているブルガス。

晴れていたのもあって、海沿いの景色はバッチリ堪能できました。展望台から黒海のきらめく水面をボーっと眺めたり、水平線に遠く思いを馳せてはしばし旅のロマンに浸ったり。
これまでのブルガリア旅とはまた全然違った雰囲気を感じられて、すごく新鮮な気分を味わえました。

なんともインパクトのある怪しげな赤い湖。この色味だけでもいかにも何かありそうな、何かが起こりそうなミステリアスさ&やばさが漂っています。
ここでの恐怖体験、もとい衝撃体験は忘れられない思い出になりました。

肌に塗るとツルツルになると言われている黒海の泥。その噂は果たして本当なのか?ブルガリアの現地美容を体を張って体験した結果やいかに・・・!?この話の衝撃の続きは是非本編で。
ブルガスの食事でシーフードグルメ満喫!レストランとカフェの思い出
ブルガスといえば海沿いの町、海沿いの町といったら・・・そう、海鮮は外せませんね!食いしん坊な私たちは、まさにブルガスで食い倒れのごとくシーフードを食べまくりました。

初日はおしゃれなイタリアンでシーフードパスタとしゃれこみ・・・

次の日はひたすら海鮮三昧!だって、日本人ですから!海沿いに来たのならやっぱり魚介類は外せませんなぁ、ウッシッシッシ。


kindle独占エピソード紹介

今回は、コプリフシュティツァ編のシプカ村の話はYouTubeには載せておらず、kindleだけのエピソードとして載せています。動画では演出的にも尺的にもわざわざ入れるほどではないかと思いカットしてしまいました。
でも、自分的にはこういうブルガリア今昔みたいな話も旅の思い出として記録に残しておきたいな~、と感じたので本の方には入れさせてもらいました。
たまたま出会った旅行者とのやりとりから偶然知ることになった「あの頃」のお話。現在と過去。遠い記憶との邂逅に思いを巡らせ、過ぎゆく時間の無常さや、少しの寂しさ・切なさをセンチメンタルな感情とともに独白的に綴っています。
短いながらも印象に残るいいシーンになったかな、なんて。
詳しくは本編をご覧あれ!
おわりに

さーて、そんなわけで姉妹で旅する世界エッセイブルガリア編5のセルフライナーノーツを書かせていただきました!ここまでお付き合いいただき、どうもありがとうございます。
今回のブログ記事では写真を中心に旅の輪郭をなぞりましたが、Kindle本『姉妹で旅する世界エッセイ ブルガリア編5 革命の村と黒海の街──コプリフシティツァとブルガスで過ごす夏』の中には、写真だけでは切り取れなかった「街の匂い」や、その時々の「私の心の独白」をさらに濃密に閉じ込めています。
動画よりも深く、ブログよりも鮮烈に。私と一緒に、もう一度ブルガリアの街角を歩いてみませんか?
電子書籍ならもっと気軽に、ペーパーバック版なら、美しい表紙とともに「旅情に浸れるとっておきの物語」として手元に置いておくのにも最適です。
コーヒー片手に、是非ブルガリアのエモーショナルでドラマチックな旅を心行くまで味わってみて下さい♪