街全体を包み込む濃厚な薔薇の香りと、数百年を生き抜いた木造建築が放つ、静かな木の温もり・・・
姉妹で歩いたブルガリアの旅を1冊のエッセイにまとめている最中、何度も当時の写真を見返しては、あの時感じた風や心の震えを思い出していました。

こんにちは、ふるもーすです。
今回は、kindle紀行本新刊『姉妹で旅する世界エッセイ ブルガリア編4 バラ祭りと古民家の村──カルロヴォとジェラブナの休日』の発売を記念して、この巻の舞台となったカルロヴォとジェラブナの「記憶の断片」を整理しました。
「なぜこのバラ祭りの喧騒を書き残したかったのか?」という個人的なこだわりから、世界で最も美しい村の一つに数えられるジェラブナでの穏やかな滞在記まで、本編を補完する形で構成しています。
検索から「ブルガリアのバラ祭り」の情報を求めて来てくださった方にも、いつも活動を応援してくださっている方にも、「五感で感じるブルガリア」への好奇心を刺激する内容を目指しました。
それでは、1冊の本が生まれるまでの、美しくも泥臭い旅の記録をお楽しみください。
自分にとって4巻はどんな巻になった?

まず最初に、私がこの4巻に込めた想いからお話ししたいと思います。
この巻は文字通り、ブルガリア旅行の中でも最も華やかなエピソードであるバラ祭りについて存分に綴った巻です。
それプラス、ブルガリアの美しい村巡りの一環としてスリヴェン方面に位置するジェラブナという村を訪問した体験記もガッツリ追加。
全体の構成としては
・ジェラブナ
・カルロヴォ
という2つの村と町で起こった出来事や事件、実際に見たもの、聞いたもの、食べたもの、自分が感じたことetcをリアルな視点で内省的に書き記しています。

世界的にバラ祭りで有名なカザンラクではなく、あえてちょっと田舎なカルロヴォで過ごすアットホームなバラ祭りというのもちょっとしたポイント。
かぐわしいバラの香りとひらひら舞い落ちるピンクの花びら、ジェラブナの南国の香りと真っ青な空と白い雲・・・という視覚的なイメージ満載で、嗅覚や味覚、聴覚含め五感を駆使して現地の空気を堪能。

個人的に4巻は文字だけなんですけど、なぜか色彩に溢れた印象を持っているんですよね。
前回までが比較的地味というか、ブルガリアの山や村の風景がメインだったのに対し、この巻では音楽やダンス、人の熱気といった賑やかなお祭り感やジェラブナのハッと目を惹くような鮮やかな色合いが記憶に残るというか。
華やかさ、強烈さ、想像を掻き立てるカラフルな景観や初夏の匂いを感じられると思います。
4巻でこだわった点とお気に入りポイント

やはり、この旅の中でも1.2位を争うメインイベントであるバラ祭りのエピソードは気合を入れて書きました。
民族衣装姿の美しい少女たち、バラ畑に鳴り響くガイダの音色、軽やかな動きでステップを踏む民族舞踊を踊る男女、可憐な美貌のバラの女王、至る所で咲き乱れる色とりどりのバラの花びら・・・
まさにページをめくるたびに高貴なバラの香りがふんわりと漂ってくるような、そんな巻にしたかったんです。
読んだ人が自分もバラ祭りに参加したような気分になってもらえれば最高ですね。だからこそ、一つひとつの出来事を思い出しながら、なるべく描写も丁寧かつリアルに仕上げたつもりです。

それと対を成すようなジェラブナ編では、この美しい村の独特の景観や雰囲気をしっかり伝えることを心掛けました。
偶然発生した「ちょ、まてよ!!」とキムタク風に叫びたくなるようなコミカルなエピソードもあり、これは個人的にかなり笑える&印象に残る思い出でしたね。
あとはカルロヴォでの予想外の恐怖体験も別の意味で記憶に残っています。これも現場の臨場感(?)が伝わるように書きました。気になる方は是非本編をご覧あれ。
4巻で大変だった点
やっぱり盛り上がりどころであるバラ祭りの思い出を1冊にまとめるのが非常に大変でした・・・。
お祭りの空気感やイベントの細かいワンシーンなどの記憶を引っ張り出して、1つずつエピソードとして書き上げていくのがなかなかに手間でしたね。なんだかんだボリュームがあるんですよ。
あとは実際の出来事を自分の視点で語りつつも、その場にいるような臨場感や少し内省的なエモさなども出しつつ、どう描写するかで苦労しました。
ブルガリア編第4巻の表紙写真と選定理由
お次は4巻の表紙デザインについて語っていきますね。
とにかくこの巻はバラ祭りがメインテーマ!なので、当然表紙もバラ祭りの中から探していくことに。個人的には民族衣装を着た男女かローズクイーンなど、現地の人が写っている写真を使いたかったんですよね。
第4巻テーマの方向性をざっくり整理すると
・メインテーマ:バラ祭り、ブルガリアの民族衣装、伝統文化
・雰囲気:華やかさ・民族の誇り・地元感・人々の笑顔と交流
・シリーズ統一性:写真内に「人物+風景」「ストーリーを感じさせる瞬間」が必要
ということもあり、最終的に見事選ばれたのが・・・じゃじゃーん!!

民族衣装姿の男女がバラのお酒をゲストに振舞うワンシーンを切り取ったもの。
バラのお酒+笑顔+民族衣装
という必須要素が凝縮された三点コンボで、テーマ・色彩・人の温もり、全ての条件を満たしています。地元の温かさ、迎え入れられる感じが出ていて物語性も〇。
バラ祭りの真っ最中という感じがよく出ている写真なので、第4巻の表紙画像としてはまさにぴったりなのではないかと!
色味もカラフルでパッと目を惹く被写体も含め、非常にインパクトがあって分かりやすい構図ということもあり、ほぼ即決でした。正面構図でやや横に広いものの、トリミング次第で調整可能なのでそこも問題なし。
表紙写真撮影裏話
この写真は、バラ祭りの会場に到着して早々にウェルカムドリンク(ローズリキュール)を振舞われた瞬間に撮影。
突然華やかな女性たちが出現したので内心大慌てだったのですが、まさに絵に描いたようなバラ祭り感のある写真が撮れてすごく嬉しかったですね~。

ちなみに、お祭り中は女性単体のソロショットや前年度と今年度のローズクイーンのツーショットなども頑張って撮影したのですが、残念なことにkindleの縦型サイズに画像を調整すると
・見せたい部分をカットしなきゃいけない
・タイトルを入れると隠れてしまう部分が出てくる
といった問題点も出てきて、試しにあれこれ画像をいじってみたもののコレジャナイ感があって、なかなか納得いかず・・・。
やっぱり写真単体で見るのと、表紙用にサイズ調整やトリミング・加工したものとでは見え方が全然違うな~と実感。次に旅行する際は、文字入れをあらかじめ想定したうえでそれなりの余白を確保した写真を撮ろうと決意した次第です。
表紙デザイン裏話

デザイン面に関しては
・上部:空 or 山背景に「シリーズ名」
・中央:人物と構成物(花・酒)で旅の物語性を演出
・下部:サブタイトル+著者名
という配置になっております。
なるべく人の顔が見えるように画像のサイズ調整だけはかなり細かく行いました。これもタイトル、サブタイトルともに白いフォントにシャドーを入れて文字列は左寄せに配置。
仕上がったものを見てみると、まるでどこかのガイドブックのような見た目(?)になって大満足!
この巻の表紙がある意味1巻と並んで一番ブルガリアらしさが出ているんじゃないかなと思ったり。いわゆる世間一般の人が考えるブルガリアのイメージそのものというか。
ボツ案公開
さて、続いては今回の巻であえなく落選してしまった表紙候補写真を供養していきますね。全体的にはバラ祭り編という本巻のテーマにぴったりな華やかで物語性に富んだ写真が揃った印象です。

表紙になった画像と同じく、これもお祭りのウェルカムドリンクシーン+女性の笑顔がメインの1枚。
ただ、笑顔ではあるものの、カメラ目線が少々記念写真っぽさを出しているのが微妙かなと。雰囲気は華やかで良いけど、やや「ポーズ感」が強めで違和感。章扉やエッセイ内の挿絵には最適だけど表紙としては少し静的な印象です。

花びらを持つ少女のあどけなさや可愛らしさが心に残る1枚。
生き生きとした表情が躍動感を感じさせ、満面の笑顔で差し出す花が温かい印象で親しみやすさも◎。写真下半分の背景がやや賑やかですが、トリミングで対応可能。
温かみ・華やかさ・シリーズ感・表紙映えも良しという、好条件を兼ね備えた優秀な候補として最後まで残りました。ただ、表紙写真と比べた時に、誰が見ても分かりやすいシチュエーションの方がいいだろうということで残念ながらボツに。

輪になって踊る少女たちの姿が構図的に美しくダイナミズムがあり躍動感も感じさせる1枚。
文化、ドラマ性のあるカットでこれはこれでアリかなと思いましたが、人物の顔が見えないため、感情が少し伝わりにくく距離感を感じてしまうのでそこがどうかなと。
アート性は高いけど人物の感情が届きにくいという点で、どちらかというと章タイトル向きかなと判断してボツに。
裏表紙写真

4巻の裏表紙はこの巻のもう一つの見せ場であるジェラブナ編でのワンシーン。
カラッと晴れた真っ青な空に立派な入道雲がもこもこと立ち上がる様を激写したエモショットです。作品内でもジェラブナの入道雲について描写したシーンがあるのですが、この写真を思い浮かべながら読んでほしいな、なんて思ったり。

夏のブルガリアを象徴するような1枚で個人的にはお気に入りです。
写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第4巻・ジェラブナ編

ここからは旅行中に撮った豊富な写真とともにブルガリア編第4巻の内容をザザッと振り返りつつ、個人的な想いやエピソードを紹介していきたいと思います。
まずはジェラブナ。
ここは今まで訪れたロドピの山間の村やプロブディフやソフィアといった都市とはまた一味違う、どこか南国の香りが漂う異国風の景観が特徴的でした。

ブルガリア民族復興期の古民家(重要伝統的建造物群)がそのまま残されていて、「生きた博物館」とも呼ばれるくらい風情のある街並みが歩いているだけでワクワクしてきちゃう!
一瞬だけ遠い昔のブルガリアにタイムスリップしたかのような、不思議な感覚を味わえるんです。

ジェラブナ編では景観の美しさもさることながら、ちょいちょい地元の人との交流もあったり。特に衝撃のトリュフおじさんとの遭遇エピソードは爆笑必見!!
とんでもない展開になって度肝を抜かれましたが、この話に関しては是非作品を読んで声を出して笑って欲しい!笑
ジェラブナ観光紀♪可愛い村の景観と民族調の雑貨がたまらない

古民家の石壁を覆うように生えたシダっぽい植物が異世界のような空気を醸しだしています。コヴァチェヴィツァの静かで落ち着いた景観とはまた違う妙なトロピカル感。

ジェラブナにどことなく石垣島っぽさを感じてしまうのは私だけでしょうか?

とにかくこの村は全てがフォトジェニック!写真を撮る手が止まらない!

村を適当に練り歩いていると可愛らしいハンドメイド風のお土産屋さんをちらちら見かけました。

こういう何気ない光景もまた旅のたまらないワンシーンだったりするんですよね。
ジェラブナでした食事と立ち寄ったレストラン・カフェ

ここでもやはりカフェで茶をしばくことは忘れません。ギリシャ風の砂コーヒーとアップルパイで一休み。

とってもキュートなキリル文字の手作りクッキー。ジェラブナって書いてあります。
ジェラブナでは民族調の内装のゲストハウスに宿泊♪

ここで泊まった宿は民族調の内装が温かさや懐かしさを感じさせるレトロな雰囲気。

宿の食堂スペースで食べた手作りの朝食もシンプルだけどブルガリアの田舎って感じでホッとしました。

ジェラブナにいた時はブルガリアにも初夏の風が吹いていた頃。空気に混ざる夏の匂いと太陽の日差しを感じてもらえたら。
写真で振り返るブルガリア旅行エッセイ第4巻・カルロヴォ編

お次はブルガリア旅行のメインイベントであるバラ祭りの舞台・カルロヴォ。
カラフルな民族衣装と軽やかな民族舞踊、可愛らしいブルガリアの古民家風カフェに美貌のローズクイーンのお目見えなど見所が盛り沢山!
地元の人々の親切さや優しさにも触れ、心温まるエピソードも多く、食も含めてカルロヴォ滞在の思い出を余すことなく綴りました。
普段は静かなカルロヴォという小さな町が、濃密でかぐわしいバラの香りに包まれた数日間を丹念に描いた本編、是非ご覧ください。
薔薇の谷(Valley of Roses)カルロヴォのバラ祭りを体験
カルロヴォのローズフェスティバルは、カザンラクよりもこじんまりとしたローカル感があってこれはこれで趣がありました。超至近距離でバラの女王を拝めたのも今となっては貴重な体験でしたね。

民族衣装を着た現地女性たちの民族舞踊は至る所でやっていました。軽快なリズムに乗せて舞う彼らの足さばきに目を見張ります。

奇跡的に揃ったバラの女王達とラベンダー女王。麗しい美貌で見ているこっちまでキラキラした気分に。

ローズクイーンの従者のように続く愛らしい少女たちの姿はまるでバラの妖精のよう。

ローズウォーターの蒸留方法を学ぶ場所もあったり。こんなに大量の花びらが必要なんて本当に贅沢。

少女がくれた花びらとバラの味のロクム(ブルガリアのお菓子)。ちょっとしたサプライズが嬉しかったなぁ。バラ祭りのエピソードは本当に沢山あるのできっと楽しんでもらえるはず♪
カルロヴォのレストランとカフェで地元の食事とグルメを堪能
カルロヴォは想像以上に食のレベルが高くて、滞在日数も多かったのもあり気の向くままに色々なレストランに入ってみました。
雰囲気のある伝統的な民族調のカフェから高級なレストランまで結構バラエティに富んだラインナップになったかなと。

バラの風味のシャンパングラスを傾けながら間接照明の灯った雰囲気のあるオシャレレストランで語らうひと時。あー幸せ。

桃や杏を使ったカルロヴォ特有のローカル料理も食べられて大満足。めちゃうま!

まさに古き良きブルガリアを感じさせるような趣のあるレトロカフェ。ここでもちょっとした地元の人との交流があって心がほっこり。


トロヤン焼きのティーカップも可愛らしく、こんな場所でお茶できるなんてと大興奮。

創作ダイニング的なレストランでブルガリア料理を味わう。このお店のスタッフからのサプライズエピソードも。

謎におしゃれなバー風のラウンジカフェで毒々しい色合いのノンアルカクテルをいただくの巻。
バシル・レフスキーの故郷!カルロヴォ観光♪教会やハーブ博物館も

地味な街(失礼)ですが、カルロヴォは実はブルガリアの革命家ヴァシル・レフスキーの生まれ故郷でもあります。町の中心部には立派な銅像が立っていました。

ここは何の気なしに立ち寄ったのですが、めちゃくちゃ面白かった!学びにもなるし、歴代のクイーンについても知れるしなかなか興味深いスポットでしたね。

ひっそりと町中に佇む教会にて。見学中にまさかのホラーでサスペンスな事件発生!?結果的に地元民の優しさにも触れることになりました。
ローズハンドクリームやマルテニッツァも!カルロヴォで購入したお土産

カルロヴォのお土産と言えばやはりローズ製品は外せません。せっかくなのでバラのハンドクリームと隠れた名産であるラベンダーのハンドクリームを購入。

ブルガリアのお守りであるマルテニッツァ。フェルトでできた可愛らしいテントウムシに思わずきゅんっ。

ひょうきんで愛嬌のあるクケリのマスコット。私たちは勝手にこれを旅の守り神として崇め、何かあると「クケリ様にお願いしよう!」「クケリ様、明日は雨らしいですが晴れにして下さい」とバカなことを語りかけていました笑
ブルガリア編4巻のkindle独占エピソード紹介

4巻では、ロマの子供との攻防戦を面白可笑しく書いてますが、これも例のごとくYouTubeだと色々微妙な内容かなと思ったので動画内では軽くふわっとニュアンスだけ伝えるに留めています。
あとはカルロヴォで出会った親切な女子大生との素敵な交流や恐怖の教会事件、トリュフおやじの爆笑エピソードなど、YouTubeでは尺の関係上、サラッとしか触れていないエピソードも多いですね。
本作を読むことで各エピソードの詳細やちょっとした裏側を覗き見しつつ、感情の動きや個人的な視点・内省も併せて物語として楽しめるかなと思います♪
おわりに

さーて、そんなわけで姉妹で旅する世界エッセイブルガリア編4のセルフライナーノーツを書かせていただきました!ここまでお付き合いいただき、どうもありがとうございます。
ブログでは写真を中心に旅の輪郭をなぞりましたが、Kindle本『姉妹で旅する世界エッセイ ブルガリア編4 バラ祭りと古民家の村──カルロヴォとジェラブナの休日』の中には、写真だけでは切り取れなかった「街の匂い」や、その時々の「私の心の独白」をさらに濃密に閉じ込めています。
動画よりも深く、ブログよりも鮮烈に。
私と一緒に、もう一度ブルガリアの街角を歩いてみませんか?