こんにちは!姉妹創作作家・クリエイターのふるもーすです!
バルカン半島を巡る姉妹旅も、いよいよクライマックスが近づいてきました。
今回は、シリーズの中でも「最もドラマチックで、最も過酷だった(笑)」と断言できる、『姉妹で旅する世界エッセイ ルーマニア編5 トランシルヴァニアでめぐる中世の残響』の舞台裏をお届けします。

ルーマニアの懐深く、高く険しい山々に囲まれたトランシルヴァニア地方。そこには、今もなお中世の騎士や伝説の息遣いが残る「迷宮の街」が点在しています。

シリーズ第5弾となる本作では、霧に包まれた煌びやかな古城や、吸血鬼伝説の館、オレンジ色の屋根が連なる石畳の街並みを巡りました。
『姉妹で旅する世界エッセイ ルーマニア編5巻』は、一見するとシリーズで最も華やかな1冊に見えるかもしれません。
ですが、実はこの巻、全6巻の中でもっとも「ハラハラドキドキ」する、トラブル続きの旅路を記録した一冊でもあります。
異国での突然の体調不良、駆け込んだ現地の病院。さらには予定が狂い、街灯もない暗闇の中をタクシーで長距離移動するという、今思い出しても心拍数が上がるような事件の連続。

幻想的な「中世の残響」の裏側で、私たちは一体何を経験したのか。この記事では、本編の緊迫感をさらに深掘り。
これからルーマニア旅行を考えている方はもちろん、中世の雰囲気が好きな方、そして「ハラハラする実録エッセイ」が読みたい方へ。本編を10倍楽しむためのセルフライナーノーツをお届けします!
華やかな中世都市の裏側にあった、全シリーズ最大のピンチ

第5巻の舞台は、ルーマニア観光の王道ともいえるトランシルヴァニア地方。
・重厚なゴシック様式の「コルヴィン城」がそびえるフネドアラ
・「街に見つめられている」ような独特の窓が並ぶドイツ風の街シビウ
・街全体が世界遺産!中世ファンタジーの世界そのものなシギショアラ
まさに皆さんが「ルーマニア」と聞いてイメージする、ロマンあふれる景色をぎゅっと詰め込んだ巻になりました。
・・・が、実はこの5巻、ブルガリア・モルドバ編を含めた全シリーズの中で、ダントツでドタバタしている巻でもあります(笑)。
前巻の「カロタセグ編」の穏やかな手仕事と歴史と誇りを感じさせるシリアスな世界とは一変して、今回は
「旅って、楽しいだけじゃないんだよ」
というリアルが大爆発!
現地でまさかの病院にお世話になったり、予定が狂って夜間に命がけの長距離タクシー移動を強行したり・・・書いている私自身、当時の心拍数を思い出すほど手に汗握る展開の連続でした。

美しい中世の街並みという「最高のロマン」と、次々に降りかかる「最悪な不運」。この凄まじいギャップこそが、5巻の最大の見どころといえますね。
作家としてのこだわり:Kindleだからこそ書けた「秘密のエピソード」

今回、私が一番こだわったのは「個人旅行の表と裏」を包み隠さず伝えること。
旅の最中に事件が起きると、その渦中にいる時は「なんで自分ばっかりこんな目に!チクショー!」と絶望的な気分になります。でも、不思議なことに、後で振り返るとそれが一番鮮明な記憶として残っていたり、最高の「ネタ」になるんですよね。
実は、この5巻で書いた大きなトラブルの数々、YouTubeチャンネルでは一切触れていないんです。
本当に偶然なんですが、その部分だけ動画データが消えてしまったというミステリーが発生しまして(ガチ)。あと、ネットで広く公開するには少し刺激が強すぎて「物議を醸しそうかな・・・」と、あえてそのエピソード自体に触れずに出さなかったという背景もあったりして。
だからこそ、このエピソードは「本を手に取ってくれた方だけが知る、特別な裏話」。
誰でも見られるSNSやYouTubeとは一線を画した、Kindleというクローズドな媒体だからこそ綴れた「きわどい本音」をぜひ味わってほしいなと思っています。
手に汗握る臨場感を、あなたに疑似体験してほしい

5巻で特に力を入れたのが、フネドアラ編の描写です。
あの時の切羽詰まった感覚、心臓がバクバクするような臨場感を読者に届けるために、何度も何度も推敲を重ねました。
文字を追いながら、「自分だったらどうする!?」と一緒にドキドキして、旅先でのトラブルを疑似体験してもらえたら、作家としてこれほど嬉しいことはありません。

その一方で、予想外のラッキーな出来事もありました!
シビウでは滞在日が偶然「国際演劇祭」の時期と重なり、街中がお祭りムード一色。あの高揚感もしっかりと書き残しています。
「美しい景色に癒やされ、絶体絶命の展開にハラハラする」
そんなジェットコースターのような1冊になった第5巻。ぜひ、温かい飲み物をお供に、安全な場所から私たちの「奮闘記」を見守ってくださいね!
>> Kindle版『ルーマニア編5』で中世の迷宮へタイムトラベルする
5巻の表紙写真と選定理由:ひと目で「中世ルーマニア」を体感する究極の表紙

今回、第5巻の表紙を飾るのは、フネドアラにそびえ立つコルヴィン城を正面から捉えた1枚。
「城と迷宮の街へ」というタイトルにふさわしい、強烈なビジュアルインパクトを求めて、私の独断と偏見でこのカットをチョイスしてみました。
この写真の最大のポイントは、城へと続く橋の中央に佇む「旅人」の後ろ姿。
あえて下から見上げるような角度から撮影したことで、巨大な城の威風堂々としたスケール感が強調され、そこにポツンと立つ人物(実は妹)との対比が、まるで中世のダークファンタジーの世界に迷い込んだような冒険感を演出しています。
実は、ちょっとした「ラッキー」も隠れていたりして。
この日、妹が着ていたオレンジ色のワンピースが、偶然にも城の屋根の色とリンク。写真全体のトーンに絶妙な差し色として馴染んでくれたのです。この「狙いすぎない調和」が、見事リアルな旅の空気感を引き立ててくれました。
結果的に、検索性・ストーリー性・ビジュアルのすべてが完璧に一致した、まさに「これぞ中世ルーマニア!」という自信作に。
こだわりのレイアウトデザイン裏話

表紙のデザインに関しても、写真の持つ迫力を最大限に活かすための工夫を凝らしております。
主役であるコルヴィン城の存在感を際立たせるため、
・メインタイトルは王道の「中央寄せ」で配置
・サブタイトルは少し変則的な「左寄せ」を採用
タイトルの文字で「中央にいる人物」が隠れてしまうのを避けたかったのでこういうデザインになりました。
遠目でも人物がそこにいることで、読者が自分を投影し、「旅人視点」で物語に入り込むことができる――そんな大切な役割を持つパーツだからこそ、デザインの都合で消してしまわないよう、緻密にバランスを調整。
ルーマニア編の表紙は全体的に「渋め」で重厚な写真が多めですが、この5巻は特にそのゴシックロマンな世界観が色濃く反映された、お気に入りの仕上がりになっています。
ボツ案公開
今回、残念ながら表紙に選ばれなかった写真もせっかくなので公開しますね。

1枚目はフニャ城の塔と街並みを写したもの。景色は美しいけど、「迷宮」や「中世感」がやや弱い印象かな・・・。

2枚目はフニャ城の全景を引きで撮った写真。城のインパクトはあるものの、旅人不在で没入感が少し減るのと、単調なイメージになってしまいそうでボツに。

シビウの町で撮った街並みの写真。カラフルで明るく親しみやすいけど、「中世の残響」とのリンクがやや薄い&どこか分からないのでキャッチーさが足りないため候補から落選。

最後はシギショアラの時計塔を煽りで撮ったもの。雰囲気は◎なのですが、構図的に背景情報が少なく見える&表紙にすると地味になりそうで微妙かなと。
結果、やはり王道のコルヴィン城の分かりやすい写真が表紙に決定したというわけです。
裏表紙はシビウのうそつき橋

裏表紙に採用したはシビウの嘘つき橋からのワンシーン。
・フネドアラ
・シビウ
・シギショアラ
とトランシルヴァニア地方の中世ヨーロッパ風の町を巡る巻なので、「オモテは古城でウラは街並み」を載せたいなと考えていました。

シギショアラの時計台とどっちにしようか迷ったんですが、どうにもゴシック風な建物がコルヴィン城と雰囲気がかぶりそうなのでやめました。
「嘘をついた者がこの橋を渡ると崩れ落ちる」という言い伝えがある「嘘つき橋」。私たち姉妹が渡ったときにどうなったかは・・・秘密です(笑)。
写真で振り返るフネドアラ観光!コルヴィン城(フニャド)見学

さて、ここからは旅行中に撮った豊富な写真とともにルーマニア編第5巻の内容をザザッと振り返りつつ、個人的な想いやエピソードを紹介していきたいと思います。
まずはフネドアラから。フネドアラの象徴といえば、このコルヴィン城。
吸血鬼ドラキュラのモデル、ヴラド3世が幽閉されていたという伝説も残るこの城は、まさに「中世の要塞」そのもの。

その重厚な佇まいを見上げた瞬間、時が止まったかのような錯覚に陥りました。

しかし、この美しい景色を眺めている裏で、実は「全旅程で最大の危機」が進行していたなんて誰が想像できただろうか・・・(ジャジャーンというBGM)。
そう、城の写真を撮った2時間後、私は現地の病院で診察を受けていたのです・・・
詳細は本編に譲るとして、まさか異国の地で病院の世話になることになるとは・・・。
美しい城の記憶と、病院での緊迫した時間が交互に押し寄せるフネドアラ編、ある意味、私にとって1番忘れられない思い出となりました。
写真で振り返るシビウ観光!トランシルヴァニア中世の街並み

続いてはドイツ風の街並みが残るシビウへ。

パステルカラーの建物が並ぶ可愛らしい街並みは、歩いているだけで心が躍ります。

街を歩いていると、屋根にある「目」のような形をした窓がじっとこちらを見つめています。この不気味でミステリアスな景観もある意味見所の1つ。なんだか不思議な感覚を味わえますよ。


シビウで見た夕日は、石畳の街をオレンジ色に染め上げ、言葉を失うほどの美しさでした。
シビウ名物!国際演劇祭を楽しむ

シビウ滞在中、たまたま運良く会期と重なった「シビウ国際演劇祭」!
静かな中世の街が一変し、世界中から集まったパフォーマーや仮装した人々で溢れ返る様子は、まるで魔法にかけられたような賑やかさ。

突如路上にドードー鳥の着ぐるみに乗った探検隊風の男性が現れたり・・・

エルフに扮した男性が普通に歩いていたりと非日常感満載。


鼓笛隊とともに鮮やかな衣装でジプシー風の舞を披露する妖艶な女性のパレードも。お祭り特有の高揚感は、ぜひ本編でお楽しみください。
シビウで宿泊した宿と食事したレストラン・カフェ

シビウでは街歩きがてらカフェ巡りもしてみました。右はクリームたっぷりのアルコール入りラテ。

オーガニック系のカフェでまったりティータイム。こういう気ままな時間を満喫できるのが二人旅のよいところ。

ランチタイムにはカジュアルなイタリアンレストランへ。ピザとパスタといういかにもなメニューをかっ食らうの巻。

シビウではアパートタイプの宿に泊まりました。実はフネドアラからここに辿り着くまでがもうハードモードすぎて、宿のベッドに寝転んだ瞬間一気に天国にも上るような気持ちになりましたよ、ええ。
居心地いいお部屋でぬくぬく出来てよかった。
写真で振り返るシギショアラ観光!トランシルヴァニアの幻想に包まれて

お次は、街全体が世界遺産のシギショアラ。ここはまさに「中世のおとぎの国」。

パステルイエローやピンクの壁が続く細い路地を歩けば、どこを切り取っても絵葉書のような光景が広がります。

天井にパラソルがひしめき合うインスタ映え~な通りがあるかと思えば・・・

完全にファンタジー映画のワンシーンのような時計台があったりと、どこもかしこも絵になる風景ばかり。



夕暮れのシギショアラの街並み。どこか幻想的で儚げな雰囲気が漂っているのは気のせいでしょうか?
シギショアラはドラキュラの故郷?ヴラド伯爵の館へ

実は、ここにはあのドラキュラ公のモデル、ヴラド3世の生家と言われる「ヴラド・ドラクルの館」があるって知ってました?

期待に胸を膨らませながら入ってみた感想を正直に言ってしまうと「あれ、意外としょぼい……?(笑)」。

館内にはその手のアイテム好きにはたまらないであろうドラキュラグッズがズラリ。見た目がインパクト抜群なのでこれはネタとしてはいいかも。
ドラキュラの館は、その何とも言えないチープな面白さが癖になりました。この歴史的スポットの意外な裏側についても、本作では率直な感想をリアルに綴っています。
中世の街並みシギショアラで宿泊した宿と食事したレストラン・カフェ

シギショアラで泊まった宿はバックパッカー向けのカジュアルなゲストハウス。

親切で陽気なオーナーが色々と世話を焼いてくれました。

宿で食べた朝食。モリモリ食べてシギショアラ観光のための英気を養います。

小腹が減ったのでランチタイムに入ったイタリアンレストラン。

ここで食べたプラム入りのデザートピザが死ぬほど美味しくて感激!


ブルガリアでよく食べていたケバプチェ風のミンチも。

街歩きの途中で入ったオーガニックカフェでは、可愛らしいラテアートが描かれたカフェラテをグビリ。

ピスタチオアイスをほおばりながら、シギショアラの街並みを横目に思い出を振り返りましたとさ。
おわりに

さーて、そんなわけで『姉妹で旅する世界エッセイ ルーマニア編5 城と迷宮の街へ──トランシルヴァニアでめぐる中世の残響』のセルフライナーノーツを書かせていただきました!
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
画面越しでは伝わらない、古城の冷ややかな空気感や、街を包む黄昏の色彩。姉妹で歩いたからこそ見つけることができた、トランシルヴァニアの「本当の素顔」。
読み終えたとき、あなたの心の中にも、中世の石畳を歩く靴音が響き始めるはずです。
そしてまた、美しい景色だけが旅じゃない。旅は、予定通りにいかないから面白い(・・・と、今は言えます)。
トラブルの先にあった人の優しさや、極限状態で見たトランシルヴァニアの夜景。シリーズ中、最もエモーショナルで人間臭い一冊を、ぜひあなたの手元で体験してください。
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