こんにちは、創作姉妹作家・クリエイターのふるもーすです!
今回は、『姉妹で旅する世界エッセイルーマニア編3巻 民族衣装と陽気な墓──マラムレシュ、時の止まる村へ』のセルフライナーノーツをご紹介します。
旅をしていると、時として「景色」ではなく「時間」の中に迷い込んだような感覚に陥ることがあります。『姉妹で旅する世界エッセイ ルーマニア編3』の舞台は、まさにそんな場所。

深い山々に抱かれ、伝統が息づくブレブ村での鮮やかな日曜礼拝や、死を笑い飛ばすかのようなサプンツァの「陽気な墓」。
そして今作の個人的なハイライトは、13年という歳月を経て再び訪れたオンチェシュティ村での出来事です。かつての記憶と現在の景色が重なったとき、一体何を感じたのか。
記事では、本編の裏側にある「再訪への想い」や、あえなく失敗に終わったウクライナ国境越えのドタバタ劇など、エッセイをより深く楽しむためのエピソードを綴ります。
自分にとってルーマニア編3巻はどんな巻になった?

今回の3巻は2巻に引き続きマラムレシュの村巡りをメインに、+αでウクライナ国境の村とウクライナの国境超えを目指すという内容になっています。
・隔絶された村ブレブ
・13年ぶりの再訪の地オンチェシュティ
・陽気な墓で有名なサプンツァ
・マラムレシュ探索の起点の町シゲット・マルマツィエイ
・ウクライナ国境の村ルンカラティーサ
といった村を訪れ、そこで起こった出来事やちょっとしたエピソードを軸に、自分が感じた想いを独白的に綴っています。
この巻のメインテーマは、ズバリ13年ぶりの再訪。
過去との邂逅や自分との対話、自己成長といったルーマニア旅の隠れテーマ(?)が一番色濃く出ている巻ですね。
それと同時に、旅のロマンやノスタルジー、個人的な想いがエモーショナルかつ内省的に綴られているので、そういう心理描写も豊富なエッセイが好きな人はより楽しめるのではないかと。
あとはやはり、日本人旅行者でもほとんど行かないであろう、マラムレシュ幻の村・ブレブで日曜礼拝に参加した話は旅の体験談としても結構レアだから興味深く読んでもらえれば。
民族衣装姿の村人で溢れた教会の鮮やかな非日常風景をはじめ、マラムレシュ地方の素晴らしさも各パートで存分に伝えているので、ルーマニアに興味を持っている人も楽しめる内容になってるんじゃないかなーなんて思っております。
ルーマニアエッセイ3巻でこだわった点・お気に入りポイント

3巻で訪れた場所は、自分的にどこも思い入れが強くて、書きたいことが沢山出てきてしまいました。
例えば、サプンツァの陽気な墓のシーン。
ちょっとシリアスな一幕なのですが、あの時感じた心の動きや想いが読者にも伝わるように自分の心とじっくり対話するような気持ちで、何度も何度も推敲して書き直したのを覚えています。
また、日曜礼拝のシーンでは、民族衣装の美しさだけではなく、人々の信仰心の美しさ、共同体や伝統文化を継承していくことの素晴らしさなども伝えたかったのでその辺も見て何か感じていただけると嬉しいです。
そして、マラムレシュを再訪するきっかけとなったオンチェシュティ。
誕生日を大好きな村で過ごすことになって、そこで待ち受けていたドラマチックな展開と、過去への郷愁、自分の心の声と内なる対話、未来への希望・・・等々色々な感情を詰め込みました。
ただの事実の羅列というよりは、個人的な内省や独白も多く、読者がエモーショナルな旅を追体験できるようなニュアンスに仕上げたいなと思い、一つひとつのエピソードを丁寧に執筆。
こういう心象風景の描写は紀行エッセイならではの真骨頂だよなーなんて思ったりして。
エピソード面でも心理面でも、色々な意味で3巻は今回のルーマニア編で1番メインとなる巻といえるかも知れません。
3巻で大変だった点

マラムレシュ編のハイライトである日曜礼拝のエピソードは、内容が盛り沢山過ぎてどうやってお話を構成するかで悩みました。
あと、オンチェシュティへの思い入れが強すぎて何をどう伝えようかでやはり試行錯誤すること山の如し。
それに加えてまさかのウクライナ国境へのプチトリップなど色々見所があるので、何をメインに据えようかと考えた結果、どれもメインになったというね・・・(笑)
この巻も2巻に続いて結構ボリュームがあります。苦労の末、なんとか1冊にまとめたので、是非楽しんでいただければ!
ルーマニア編3巻の表紙写真と選定理由

続いて、ルーマニア編3巻の表紙デザインについてあれこれ語っていきたいと思います。
今回表紙に選んだのは、鮮やかな民族衣装をまとった女性たちが階段を上って教会に入っていく後ろ姿をややアップ気味に背中越しから捉えたショット。
この巻では、日曜礼拝の写真を表紙に使おうと最初から決めていました。
ただ、いかんせんあまりにも神ショットがありすぎて選定するのが超絶大変!!どれもとっておきの写真で甲乙つけがたく、何度も何度も選定を繰り返した末にベストなモノをチョイス。
この写真は、女性たちの民族衣装の華やかさと構図のバランス、タイトル配置のしやすさの点で最も表紙向きと判断しました。
画角がタイトで、人物が大きく映っていて、服の色と模様がしっかり見えるため、民族衣装の美しさがフルに表現されているのがいいなと思って。
建物の屋根や装飾も背景に入り、文化的雰囲気が濃い点も〇。
一斉に建物に向かう姿が「儀式」「文化」「時間が止まった村」の印象を強調して世界観的にも3巻の内容とも合ってます。
あえて後ろ姿にしたのはこの写真が一番表紙として収まりがいいから。
・タイトルロゴが上部に収まりやすい
・構図に余白がある
・色味や明るさもバランスよし
という条件が揃い、Canvaでの加工にも向いていた点もよかったかなと。
デザイン裏話

文字入れに関しては
・フォントはシンプルに白にしてシャドウを追加
・タイトル・サブタイトルともに中央寄せ
にしたら丁度いい感じになりました。
文字入れするとなると上下に空間やスペースがあった方がやりやすいんですよね。人物が前面にババーンと来ちゃうと文字で顔がつぶれちゃったりするので・・・。
その点、この写真は
・中央に人が集まっている
・タイトルも余裕で入れられスペースあり
・スカートのグリーンがとても華やかでパッと目を惹く
という写真としての見栄え+デザインのしやすさが勝因でした。ルーマニア編の6冊の中でも比較的派手な印象で結構気に入っています。
ボツ案公開
さて、続いては今回の巻であえなく落選してしまった表紙候補写真をご紹介していきますね。

まずは、民族衣装の女性3人と男の子が並んで立っている正面ショット。
表情が自然で温かく、正面からの視線が親しみや一緒に旅する感じを醸し出し、読者の心を掴んでくれそうな1枚。
ロゴを上部か下部に配置すれば構成しやすいですが、記念写真ぽさが出ちゃうかなと思い断念。

お次は、陽気な墓(サプンツァ)の墓標が並ぶ鮮やかな写真(青空背景)。
カラフルで一目で「珍しい!」と思わせるインパクトがあり、本の副題「陽気な墓」を視覚的に伝えるのに最適。
ただし、人物がいないため、姉妹旅のストーリー性を出すのにはやや弱いかなと。

最後は、民族衣装姿の女性たちが教会の階段を登っている様子をやや遠目から撮影したショットです。
人物の全身が映っていて、やや画角が広めで、こちらも色鮮やかさはなかなか。
ただ、上下の余白が少し少ないので文字を入れた時に見せたい部分が潰れてしまいそうだなと感じ、残念ながらボツになりました。
ルーマニア編3巻の裏表紙

3巻で裏表紙にしたのはこちらの写真。
赤いスカーフと赤いスカートがとても似合っている可愛らしい少女の横顔。日曜礼拝でたまたま出会った美少女がインパクト強すぎて忘れられなくて、ついついここで登場させてしまいました。

日曜礼拝で撮った地元の人々の民族衣装姿はどれも本当に素晴らしくて、まるで童話の世界そのものでしたね。
表紙と裏表紙の2枚だけですが、写真を見て少しでもその場の雰囲気が伝わればいいなと思います。
写真で振り返るルーマニア紀行第3巻・ブレブ編(マラムレシュ)

さて、ここからは旅行中に撮った豊富な写真とともにルーマニア編第3巻の内容をザザッと振り返りつつ、個人的な想いやエピソードを紹介していきたいと思います。
まずはその特殊な地形から隔絶された村・ブレブから。ここは日曜礼拝を見るために訪れました。
ブレブで宿泊したゲストハウスと食事

ブレブで泊まった宿は、マラムレシュ地方でよく見る民俗調の内装が素敵なゲストハウス。

アットホームな雰囲気で宿の娘さんは明るくチャキチャキとしたフレンドリーな対応で、初めて見る日本人観光客に対してもあれこれ世話を焼いてくれました。

自給自足ライフが根付いているので庭には畑や池、井戸、家畜を飼っている小屋等があり、宿泊客は好きに見学可能。

この宿の奥さんもまた料理上手で、朝食・夕食ともに手作りのルーマニア料理がふんだんに提供されます。




お庭で飼っている牛さんから搾ったミルクは甘くてなめらかでコクがあって出来立てほやほや。サワーチェリーのお酒・ヴィシナータもフルーティで飲みやすかった!


お肉から卵から全て自分たちの敷地内で採れたもの。ある意味贅沢な暮らしです。

自然の恵みに感謝して美味しくいただきました。
ブレブ観光と立ち寄ったカフェ

ブレブは他の村と地形的に完全に孤立した「隔絶された村」。そのため、まるで時が止まったかのような昔ながらのマラムレシュの暮らしが根付いています。


マラムレシュ地方の伝統的な文化である「ポットツリー」。木の枝に調理鍋やポットをぶら下げることで、その家に結婚適齢期の女性がいることを示す合図になっているんだとか。

散歩中に見つけたアクセサリー屋さん。民族柄のビーズのブレスレットが可愛らしくてお土産に購入しちゃいました。

散歩中に立ち寄ったカフェでしばしのティータイム。



パパナシやパイなど地元の手作りスイーツで胃袋が満たされる・・・。ここは気に入って二日連続で通いました。
ブレブで日曜礼拝に参加!マラムレシュの民族衣装が素敵

ブレブにやってきた目的は・・・そう、日曜礼拝を見るため!!
ミサは村の中心に位置する白い教会で行われると聞き、午前中にいそいそとやって来た私たち。

そこで見た光景は・・・まさに絵本の中に出てくるおとぎ話そのもの。民族衣装姿の村人たちが続々と現れるたびに私たちの心はときめきっぱなし。

民族衣装を着た可愛らしい少女たちが談笑する姿。メルヘンすぎてやばいです。



世界のどこかにこんな場所があるなんて・・・。現代とは思えないようなファンタジー感。この伝統がいつまでも続いて欲しいと思わずにはいられません。
写真で振り返るルーマニア紀行3巻・サプンツァの陽気な墓編(マラムレシュ)

ブレブの日曜礼拝を見たあとに訪れたのは、陽気な墓で有名なサプンツァ。

墓地を見学しながら、ちょっとした感傷に浸るシーンは自分の中では結構お気に入り。サプンツァでは人の生と死について深く考えさせられました。詳しくは本編を読んでいただければ。

わざわざブレブからサプンツァまで車で送ってくれた老夫婦。親切で本当にいい人たちでしたね~、感謝。

ちゃっかりお土産もゲットしちゃったりなんかして。

サプンツァでは何故か地元のおばあさんに声を掛けられ、自宅に招待されるというほっこりエピソードも。この話も本編では詳しく書いています。
写真で振り返るルーマニア紀行3巻・オンチェシュティ編(マラムレシュ)

続いてやって来たのはオンチェシュティ村。
私がマラムレシュにもう一度来たいと思った理由を作ってくれた場所です。今回のルーマニア旅で忘れられないエピソードの1つが「オンチェシュティで誕生日を祝ってもらったこと」。
13年ぶりに訪れた憧れの地で、思いもかけず地元の人々の優しさに触れ、心がじんわりほどけるような素敵な時間を過ごすことが出来ました。

泊まっていた宿のオーナーもまだ健在。そして、お庭で遊ぶわんぱく少年が実は・・・!?

お祝いにもらった花束。誕生日当日にマラムレシュので過ごせるなんて、最高に幸せ!この体験は一生忘れません。

宿の中にある衣裳部屋には民族衣装がてんこ盛り。せっかくなので試着して撮影会したり、好きにやらせてもらいました(笑)

誕生日の夜にオーナーの奥様が作ってくれたバースデーディナー。サルマーレのホッとする味わいが心に沁みます。

ドライブがてらバドゥ・イゼイの洗濯場へもお出かけ。地元の子供たちのダンスを見せてもらったり、オーナーの計らいでローカルな体験を色々させてもらいました。

誕生日翌日は何故か宿のオーナーと一緒に野焼き体験まで。ごうごうと激しく燃え盛る炎に色々な想いを託して空に飛ばします。

13年前にも訪れたオンチェシュティの村の教会。ここから見る村の風景が何故かずっと心に残っていたんですよね。もう一度来れて本当によかった。
写真で振り返るルーマニア紀行3巻・ルンカラティーサ編(ウクライナ国境)

オンチェシュティ村の滞在中、日帰りでウクライナの国境近くにある村・ルンカラティーサにも足を延ばしてみました。
ウクライナ式の教会は青とゴールドが印象的なツートンカラー。ビーズでできたマリア像のイコン画といい、ルーマニアとはまた違う内装で面白かったです。

村の住人からウクライナの民族衣装も見せてもらいました。マラムレシュとはまた違ったデザインで、どこか可愛らしい印象の柄が特徴的。

ルンカラティーサの村に流れる大きな川の向こう岸はもうウクライナ。村人からこの川に関する少し悲しいエピソードを聞いて、何とも言えない複雑な気持ちになってしまいました。
ちなみに、このあとリアルにウクライナ国境超えを目指した私たちでしたが、結果は見事に惨敗。その様子は是非本編でご覧あれ。
日帰りでシゲット・マルマツィエイ(マラムレシュ)へ
ルンカラティーサを見た後はシゲット・マルマツィエイへ。

シゲットでは刑務所博物館と呼ばれるミュージアムを見学しました。ここ、予想外にめちゃくちゃよかったです。よかったという言葉が適切かどうかはわからないけれど・・・。
見るものすべてが強烈で、入った瞬間にすごく重い気持ちになるところなんだけど、これは行かなきゃ分からなかった学びがあったというか。
どんな展示を見て、どんな感情に突き動かされたのか?は是非本作を読んで実際に感じてみて下さい。
おわりに

さーて、そんなわけで『姉妹で旅する世界エッセイ ルーマニア編3民族衣装と陽気な墓──マラムレシュ、時の止まる村へ』のセルフライナーノーツを書かせていただきました!
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
今回のブログ記事では写真を中心に旅の輪郭をなぞりましたが、Kindle本『姉妹で旅する世界エッセイ ルーマニア編3』の中には、写真だけでは切り取れなかった「街の匂い」や、その時々の「私の心の独白」をさらに濃密に閉じ込めています。
ネットの情報だけでは辿り着けない、現地の温かな鼓動を1冊のエッセイに凝縮。木造教会の静謐な空気や、伝統衣装を纏った村人たちの笑顔を、ぜひ本書で一緒に体験してください。
「ページをめくるたび、色鮮やかなルーマニアが動き出す」
13年前の自分と、今の自分。姉妹で歩いたからこそ見えた、マラムレシュの真実がここにあります。失敗も、再会も、すべてを詰め込んだこの1冊を、あなたの旅のコレクションに加えてみませんか?

電子書籍ならいつでも気軽に、5x8インチのペーパーバック版なら、民族衣装を着た村人の鮮やかで美しい表紙を紙の質感で楽しみながら「旅情に浸れるとっておきの物語」として手元に置いておくのにも最適です。
コーヒー片手に是非ルーマニアのエモーショナルでドラマチックな旅を心行くまで味わってみて下さい♪