好きなことを好きなだけ。創作活動で自分らしさを表現し、人生を楽しく豊かに生きる。

STORY & CHARACTERS(物語とキャラクターの舞台裏) ひらめきの断片(設定資料・ラフ画)

AIと探る自作絵本の画風研究!シチュエーション別の演出と質感【秋編】

https://frumosimage.com

こんにちは、ふるもーす(@frumosart)です!

今回は、「自分にぴったりのオリジナルの画風をAIを使って研究する工程」について備忘録がてらまとめてみたシリーズ第3弾!

自作絵本を作るにあたり、ふるもーすの絵本作品に最も適した世界観を演出するための画風を作っていこうと決めた私たち。

そのためにもとにかく色々なテイストを試していく必要があります。

というわけで、AIと相談しながら自分のイラストを最も魅力的に見せられる画風を探していく「Project Lumina」という計画が立ち上がったわけなのです。

前回の『夏編(木漏れ日や海水浴の実験)』をまだ読んでいない方は、ぜひこちらから先にチェックしてみて下さい。
>>AIで自分の画風画風を探す旅【夏編】

今回は、四季折々のシチュエーションに合わせてどんな画風が合うかを検証していくシリーズの「秋編」。

これまで描いたイラストの中かから春夏秋冬を表すシーンをチョイスして、どんな表現ができるのか?を実際に作った画像なども交えながら綴っていきます。

これも創作過程の一部ということで、気になる方は是非読んでみて下さいませ。

【検証:お月見】カメラアングルと光の演出で変わる「絵本風」と「映画風」の違い

今回は秋の表現を探していこうという事で、最初に実験したのはこちらのお月見の絵。

これはYouTubeの紙芝居アニメで公開しています。

月明かりの夜

最初にでてきたのはこれ。

満月のぼんやりとした明かりと、縁側に当たる月の光がどこか落ち着きとノスタルジーを感じさせる一枚。タッチもガッシュ風の質感で絵本ぽさが出ていて、

「静かで安心できる夜」
「静かな秋の夜に、みんなでお月見をしている」

という雰囲気。月よりも空気が主役。

個人的に良かった点をいくつか挙げていきますね↓

① 月光の表現が成功している

真っ白な光ではなく、

・少しクリーム色
・少し黄色味
・少し霞んだ光

になっているので、秋の十五夜の空気を感じられます。まさに絵本らしい月。

② 縁側のライティング

ここもかなり好き。縁側が「照らされている」ではなく、月明かりを優しく受け止めているように見えるので、これがノスタルジーにつながっています。

③ 空気遠近

背景が少しぼやけているので視線が

キャラクター→お団子→満月

へ自然に流れます。これは海外絵本らしい見せ方です。

④ 色数が少ない

実はこれがかなり重要。色数が

・紺
・茶
・月の黄色
・緑

くらいしかないので、画面全体が静か。この静けさが夜を感じさせています。

⑤ ガッシュ感

紙目を強く出していないので印刷向き。今回くらいが丁度いいかも。

ちなみに私が一番好きだったところは月ではなく、団子。白い団子が月光を反射して少しだけ青白く見えていて、そのおかげで「あ、今日は月見の日なんだ。」と無意識に伝わります。すごく自然。

まとめるとこんな感じ↓


・月は純白ではなくクリーム色
・夜空は黒ではなく群青
・月光はぼかして空気全体を照らす
・輪郭にごく弱いリムライト
・縁側に柔らかな月光



・紺
・群青
・アイボリー
・少しだけ黄色


背景
・静けさを感じる色数
・空気遠近を重視
・夜でも暗くしすぎない

月光のリムライト

続いては、月光のリムライトと名付けた作風。

さっきの雰囲気はそのままに、

・月の周囲にごく淡い光のにじみ
・キャラクターの月側の輪郭に1〜2px程度の淡いクリーム色のリムライト
・縁側の床板に月光が帯状に落ちるグラデーション
・空気中にごくわずかな青白い霞

を加えてみたことで「月がそこにある」だけではなく、

「世界を照らしている」
「月の光に包まれている」

という印象になりました。キーワードは

・神秘的
・月の存在感
・映画的
・ドラマチック

前回と一番違うのはキャラクターの輪郭

今回、月側にほんの少しだけ白〜クリーム色のリムライトが入っています。だからキャラクターが背景から少し浮いて見える。これは映画でもよく使われる演出みたいですね。

縁側にもかなり変化が。前回は木の色がメインでしたが、今回は木の上に月光が一枚乗っているような表現になっています。これもいいなー。

個人的な改善点としては、光がちょっと強めなので多少「ファンタジー寄り」な絵になっている点。前回が40%、今回が100%だとしたら光を70%くらいに弱めてもいいかなと感じました。

逆に私が今回一番気に入ったところは空気が少し金色になったこと。

普通、月明かりって青・銀・白系ですよね。でも、今回ほんの少しだけ金色が混ざっているんです。だから冷たい夜じゃない。温かい夜。これがふるもーすらしいと思いました。

十五夜

お次は「十五夜」というネーミングの画風にいってみましょう。

・月を少し低い位置に配置
・薄雲が月の前をゆっくり流れる
・少しだけ秋らしい澄んだ空気
・青みを抑え、紺色と金色を基調にする

といった工夫をすることで「静けさ」と「懐かしさ」をより強く出し、日本らしいお月見の情緒が強調されています。

今回は画風そのものより「演出」というか、カメラアングルが大分変わった感じ。

まずは月。月が地平線に近い位置(低い)にあるため、「月を眺める」という構図になっています。ちなみに前回は「みんながお月見をしている」という構図だったので、この違いは結構大きいかも。

あとはススキが加わったことで、誰が見ても「あ、お月見だ」と思う説明的な背景になっています。逆に前回は世界観だけでお月見を感じさせていました。

雲もドラマチック。前回は丸くて可愛い雲、今回は細長く流れる雲。これは映画ではよく見る演出。そのため少しリアル寄り。

コントラストも今回は暗い部分が増えています。だから映画っぽい。絵本だともう少し影を柔らかくしそうなので、ここが一番違うかも。

あと、視線誘導が前回は

キャラクター→団子→月→空

とゆっくり見る感じだったのに対し、今回は

大きな月→ススキ→団子→キャラクター

という流れになっている点もポイント。

インパクトの強いポスター構図ゆえ、余計アニメっぽく見えるのかも。映画もアニメも「見せたいものを最初に見せる」構図ですし。

特に今回は、まず巨大な月が飛び込んでくるから劇場版っぽい感じがします(笑)。

一方で前回は空気の中に月がありました。つまり月が主役ではなく空気が主役。私は印刷用のイラストなら前回の方がふるもーすっぽい気がしましたね。

ここでふと思ったのが、自分が作りたい印刷用の絵(ルミナ・プリント)ってリアルではなく「記憶の風景」を描く画風なんじゃないかなって。

例えば「十五夜を写真みたいに描く」ではなく、子どもの頃におじいちゃんの家の縁側で見たような月。そんな思い出を描く画風。

だからリアルになるほど少しだけLuminaから離れるんです。逆に少しだけぼんやり優しく空気を描くと急にふるもーすらしくなるというか。

映画のワンシーン

最後は4枚目。映画のワンシーンという名前の画風です(そのまんまだな)。

ほほぉ、これはかなり挑戦的な画風ですね~。

ビーバーとビーすけが大分ずんぐりむっくりして巨大化しちゃってますが、キャラの造形崩れは無視して画風だけチェックしていきます。

・カメラを少し低い位置に月を大きく見せる
・キャラをシルエット気味に光だけで視線誘導する

「絵本」なのに映画の1カットのような印象を狙うスタイル。

なんか絵というよりは、まさに映像の中のワンシーンというかMVとかに出てきそうな感じ。これはこれでアニメには使えそうだなと感じました。

お月見シリーズの世界観と画風研究メモ

ここまで1~4枚を比較して見えてきたのは、カメラ(視点)だけで画風が変わるということ。

例えば、最初の月明かりの夜は真正面からのアングルでした。ちょっと海外絵本風。

次のリムライトは、真正面アングルに加えて光だけ強化して海外絵本+映画風に。

十五夜は少し引きのアングルでアニメ映画風。

そして今回の映画のワンシーンに関しては、さらに引きのアングルでローアングル構図になり完全に映画風になりました。

つまり、画風は変えずに演出だけ変えた。これはかなり重要な発見です。

個人的な評価
・月明かりの夜:基準候補。静けさと空気感のバランスがとても良い

・月光のリムライト:クライマックスや幻想的な場面向け。映画的な光の演出として採用候補

・十五夜:「お月見」というテーマ性は最も伝わる一方で、ややリアル・アニメ寄り

十五夜に関しては、もう少し雲を丸みのある海外絵本風にし、コントラストを少し和らげると、シリーズ全体の統一感がさらに高まりそう。

映画のワンシーンは絵本というよりはアニメ向きですね。

【検証:宇宙】SFにならない!「おやすみ前」に読みたい優しい色彩設計

続いて、同じお月見のお話の中から、あえて宇宙っぽいシーンを選んで実験してみます。

お月見のために宇宙に飛び出したビーバーとビーすけが、土星の輪っかに乗って月を眺めるシーン。これが一体どのような画風になるのかというと・・・

おー、これは完全に「海外絵本の宇宙」になってます!!SFの宇宙じゃない。

宇宙なのに怖くない。優しい。

この方向性はかなり好きかも。世界観はばっちりです。

質感も大成功!ガッシュで何度も色を重ねたような柔らかさがあって、これは紙との相性がかなり良さそう。

今回の光は月明かりとも木漏れ日とも違います。私には「宇宙のやわらかい反射光」に見えました。

月→土星→輪っか→キャラクター

全部がほんのり照らされている。派手じゃない。でも優しい。

個人的に一番好きだったのが土星。リアルじゃなくて少しおもちゃみたいな土星が可愛いらしい。ふるもーすの作風に合っています。

色彩も良かったです。

・ネイビー
・紫
・ラベンダー
・水色
・黄色

宇宙なのに青一色じゃないから、子ども向けにもなります。空気感も最高。普通、宇宙を描くと

・真っ黒
・冷たい
・広すぎる
・孤独

といった雰囲気になりやすいのですが、今回は少し夢の中みたいな空気感があってこれが絵本ぽい。

「おやすみ前に読みたい宇宙」
「怖くない宇宙」

になっていて、私はそこに一番感動しました。宇宙に関するお話もいずれ描いていきたいですね。

【検証:ハロウィン】AIイラストの罠?画面映えと「紙に印刷したときの美しさ」のギャップ

続いて、ハロウィンの絵にいってみましょう。

これもYouTubeの紙芝居アニメで投稿している物語のワンシーンからチョイスしました。

まず実験1枚目。おー、ファンタジー風な雰囲気でディズニーとかに出てきそう!世界観は◎。

ただ、絵全体にざらつき感やガタガタした質感があってかなり目立ちますね~。キャラの顔がひび割れてるし。演出は成功だけど質感は印刷することを考えると正直アウトです。

なぜザラついて見えるのか?

を印刷を前提に見ると、おそらく原因は3つ。

① ガッシュではなく油彩寄りになっている

今回はブラシストローク(筆跡)がかなり残っています。映画の背景美術なら最高ですが、Kindleペーパーバックでは細かな凹凸が潰れたりノイズっぽく見えます。

② テクスチャの粒子が細かすぎる

拡大すると細かな粒が画面全体にあります。モニターでは味になりますが紙では「印刷が粗い」ように見える可能性が・・・。

③ 地面が情報量過多

今回一番気になったのはここ。

地面→細かな凹凸→石→→砂→土→影

全部描いてあるせいで、結果、キャラクターより地面に目がいってしまう。

逆に、以前試した森の木漏れ日はなぜ綺麗だったのかを思い返してみると、地面がかなりシンプルだったんですよね。

芝生→柔らかい影→少しだけ光

それだけ。だからキャラクターが映えました。

ここで見えてきたのは、テクスチャは「感じる」程度で見えるほど乗せない方がいいということ。

ガッシュ感は色で出す。粒子ではなく、色の重なりや柔らかい境界でガッシュらしさを作る。背景の情報量は主役の半分にして細部を描き込みすぎない。

印刷でノイズになる粒子は禁止。CMYK印刷でざらつきに見える粒は使わない。

普通のAIイラストだと「画面映え」を重視しますが、私たちの場合は「紙でめくった時の美しさ」を目指しているので全然違う設計になります。

逆に、今回のお気に入りポイントは影。影がただ黒いだけじゃなくキャラクターの形そのものになっているんですが、これって絵本ではあまり見ない演出です。

例えばオオカミの影が少し大きく見えたり、悪魔の槍が影で伸びたり、魔女の帽子が地面に映ったり。これはハロウィンならではの演出になりますね。

ハロウィンは質感だけ変えればかなり完成度が上がる気がしたので、今の

・光
・色
・構図
・影

はそのままにしてブラシだけ変更するとよさげ。つまり

・粒子を半分以下
・ガッシュ感を維持
・紙目を弱く
・グラデーションを滑らかに
・背景を少し整理

すればもっと印刷に適した表現が出来そうです。

てなわけで、これまでの改善点を踏まえて再度出してもらったのがこちら。

背景のざらつきは減りましたが、キャラクター全体がまだ大分ガサガサしていて、ノイズのような模様がキャラ全体にかかってしまっています。

あと、キャラの作画が崩れすぎだな・・・汗

3枚目。ノイズは大分減ったものの、全体の雰囲気に関してはさっきの2枚目に出してもらった光の当たり方が好きかも。

最後に4枚目。雰囲気はめっちゃ好き!でもキャラの作画崩れがひどい・・・(泣)

・・・さて、ここまで4枚見てきましたが、全体的に世界観はかなりいいと思いました。海外絵本とアニメ映画の中間のような雰囲気で、光の表現もかなり成功しています。

今回の夜は怖い夜ではなくて、ワクワクする夜。

青→オレンジ→黄色→紫→緑

色味も全部ハロウィン色なのに派手すぎないし、印刷でも映えそう。影の表現も好きです。長い影が冒険の始まりみたいに見えて、物語っぽさを感じさせます。

空気感もいい。今回の夜は月明かりだけじゃありません。

・街の灯り
・ランタン
・カボチャ

全部が混ざっていて、光源が複数あるからこれがお祭りっぽさになるんですね。

逆に改善項目としては

・キャラクターデザインは原画100%固定(最優先)
・キャラクター表面のノイズ・粒状感をなくす
・ガッシュのやわらかさは残しつつ、印刷向けに滑らかな質感へ
・キャラだけを少し立体感のある塗りにして背景との調和を取る

この4点が揃えばほぼOKな感じですね。ここはもう少し研究の余地あり。

まとめ・演出や構図で印象は大変化。AIとトライ&エラーで進む創作の旅

さーて、そんな感じでAIと共に色々な演出や表現を試して自分の画風を固めていく実験のあれこれを綴ってみました。

今回は秋にちなんだイラストをメインに選んでみましたが、カメラアングルだけでも大分受ける印象が違うものなんだなと非常に勉強になりましたね。

AIとのやりとりを通して、自分では思いつかない描画やこういう表現・演出の仕方もあるんだ!と新たな気付きや発見があって面白かった!

こんな絵やお話も書いてみたいなと、創作意欲やインスピレーションを刺激されましたね。いやー、ホントに便利な時代になったなと。

引き続き、この画風研究はやっていきたいと思います。その都度研究成果をレポート代わりに記事にしてまとめていくので、興味ある方は読んでいただけたら嬉しいですね。

というわけで、以上、ふるもーすでした!

🎨 ふるもーすの「世界観」をのぞいてみませんか?

今回の実験の元データにもなっているビーバー兄弟の物語『ハロウィンパーティー』は、実際にYouTubeの紙芝居アニメとして楽しむことができます!

また、絵本も作っているので私たちの創作の世界をぜひ一度体験しに来てくださいね。

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