こんにちは!ふるもーす(@frumosart)です!
今回は、三冊目の絵本『ビーバーとビーすけの竜宮城大作戦』の制作ログから、Scene5「海の生き物たちに囲まれる」のイラストをAIでリマスターした制作工程について書いていきたいと思います!
前回のScene4では、デブラがうっかり海中のサンゴを折ってしまい、海の生き物たちが怒り始めました。
そして今回、ついにその怒った海の仲間たちが、ビーバー兄弟とデブラを取り囲みます!
上からはマンタと亀。下からはカニとエビ。中央には驚くビーバー兄弟と、状況に圧倒されるデブラ。これは大変なことになってきましたね(笑)。
さて、今回のイラストには合計7人ものキャラクターが登場します。
これだけ多くのキャラクターを、同じ絵本の世界へ自然になじませるにはどうすればいいのでしょう?
実は今回、そのための重要な発見がありました。
統一する。でも、均一にはしない。
これが、今回の制作を象徴する言葉です!

この記事では、7人のキャラクターをひとつの海へ集めるまでの制作工程を豊富な画像とともにご紹介します!
・AIを使った絵本制作に興味がある方
・複数のキャラクターの画風を統一したい方
・AIイラストが漫画っぽくなる原因を知りたい方
・水彩やガッシュ絵具のような質感を表現したい方
・AI画像生成で修正を繰り返しても、なかなか理想の絵にならない方
は是非読んでみて下さいね!
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AI絵本の画風統一!同じ海で起こる事件を背景と感情変化で表現する
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1. 7人のキャラクターが登場!今回の制作はちょっと大変?
今回のScene5は、物語が次の展開へ進むための重要な場面です。
前回、デブラが折ってしまったサンゴ。その出来事に怒った海の生き物たちが集まってきました。
上からはマンタと亀。下からはカニとエビ。そして中央には、ビーバー、ビーすけ、デブラの3人。合計7人のキャラクターが、一枚のイラストに登場します。
いよいよ海の仲間たちに囲まれてしまいました!

今回の場面で描きたいのは、海の仲間たちに取り囲まれた主人公たちの驚きや不安です。ここから物語は、竜宮城へ連れて行かれる展開へと進んでいきます。
ただし、今回も前回のScene4と同じ方針を引き継ぎました。
Same Ocean. Different Emotion.
「同じ海。変わったのは感情だけ。」
事件が大きくなったからといって、海の色を暗くしたり、怖い雰囲気に変えたりはしません。怒っているのは海ではなく、そこにいる登場人物たちです。
だからこそ、背景は前回と同じ明るく柔らかな海のままにしました。
今回の主役は、7人全員です
これまでのSceneでは、ビーバー兄弟とデブラが中心でした。
でも今回は、マンタ、亀、カニ、エビも重要な役割を持っています。彼らは単なる背景の飾りではありません。怒りという感情を持って、物語に参加している出演者なんです。
そのため、画面上の大きさに関係なく、全員の形や表情を守る必要があります。
そしてもうひとつ。全員を同じ絵本の画風に仕上げながら、それぞれの個性も残さなければなりません。これが今回の大きな課題でした。
2. Stage0|カニとエビを少しだけ移動!印刷レイアウトの調整
まずは、印刷用レイアウトの確認です。
今回もCLIP STUDIO PAINTを使い、原画に設定した印刷ガイドを確認していきます。ここで気になったのが、画面の左右にいるカニとエビでした。
画面の左右にいるカニとエビが、ちょっと危ない?
2人は、左右から主人公たちを囲み込む役割を持っています。そのため、画面の端にいること自体に意味があります。
ところが、印刷ガイドを重ねてみると、少し外側へ出すぎていました。

このままだと、断裁されたときの見え方が少し心配です。そこで、CLIP STUDIO PAINTでカニとエビをごくわずかに内側へ移動させました。
安全だからといって、中央へ押し込まない

ここで大切にしたのは、移動量を最小限にすることです。
もしカニとエビを大幅に中央へ寄せてしまったら、どうなるでしょう?せっかくの「左右から取り囲む」という構図が弱くなってしまいます。
前回のScene4では、右上の亀を無理に安全領域へ押し込まないという判断をしました。今回はその考え方を引き継ぎながら、必要な分だけ位置を調整しています。
安全とは、全部を囲うことではない。
印刷レイアウトは、キャラクターをガイド線の内側に収容する作業ではありません。断裁後も、キャラクターの演技や物語がきちんと伝わる位置を探す作業なんですね。

今回は、ほんの少しの移動だけで、安全性と構図の両方を守ることができました!
3. Stage1〜2|7人もいるなら、背景は静かな方がいい!
次は、アートディレクションと背景制作です。
今回の背景には、Scene3〜4から続く明るい青緑色の海、柔らかな光、水中の奥行きなどを引き継ぎました。
ただし、今回の背景にはひとつ大きな特徴があります。それは、背景の情報量をかなり控えめにしたことです。
背景までにぎやかにしたら、どうなる?
今回のテーマは、
Quiet Underwater Stage — Minimal Background
「静かな海中の舞台。最小限の背景。」
というものでした。
考えてみると、今回の絵にはすでに7人ものキャラクターが登場しています。そこへさらに魚やサンゴ、海藻、岩、泡などを大量に描き込んだら、どうなるでしょう?
背景だけを見れば、華やかで魅力的かもしれません。でも、キャラクターを配置すると、画面がにぎやかになりすぎてしまいそうです。

そこで今回は、背景単体では少し物足りないくらいまで情報量を抑えました。
キャラクターを置いてみたら、ちょうどよかった!

背景を生成した後は、CLIP STUDIO PAINTへ持ち込み、原画のキャラクターを仮合成しました。
これは前回のScene4でも使った方法です。
背景だけを見て判断するのではなく、キャラクターを配置した状態で完成イメージを確認するんですね。

すると、背景単体では少し静かに感じた空間が、7人のキャラクターを置くことでちょうどいいバランスになりました。
これ以上、サンゴや魚を追加する必要はなさそうです。

ここで改めて感じたのが、
登場人物が多いほど、背景には「何もしない場所」が必要になる。
ということでした。
何も描かれていない場所は、決して無駄な空間ではありません。キャラクターが演技するための余白なんです。
背景を豪華にすることより、物語を読みやすくすること。今回も、その考え方が役立ちました。
4. Stage3|7人の役者、ひとつの絵具箱!
背景が完成したら、いよいよキャラクターの着彩です。今回のStage3は、特に重要な工程でした。
なぜなら、7人のキャラクター全員を同じ画材の世界へ入れる必要があったからです。
全員を同じ画風にする。でも同じ塗り方にはしない
ビーバー兄弟には、木のおもちゃのような柔らかな茶色。デブラには、緑色の塗り重ね。マンタには紫色。亀には淡い緑色。カニとエビには、赤や橙色の絵具の揺れ。
それぞれに、異なる色や質感があります。
これらを無理やり同じ塗り方へ揃えてしまったら、キャラクターごとの個性まで失われてしまいます。
そこで今回生まれた合言葉が、
Seven characters. One paintbox.
「7人の役者。ひとつの絵具箱。」
です。
全員を同じ色で塗るのではありません。同じ絵具箱から、それぞれ違う色を取って描く。そんなイメージですね!
最初の着彩は、実はかなり好きでした
まず最初に生成したStage3-A。これが、なかなかいい感じだったんです!
柔らかな滲みがあり、色の揺れも自然。水彩画のような透明感があって、海中の雰囲気にもよく合っています。

単体のイラストとして見ると、かなり魅力的でした。ところが、前回のScene4と並べてみると、少し違和感があります。

Scene4では、Soft Layered Gouacheという、柔らかなガッシュ絵具の重ね塗りを目指していました。
一方、今回の初稿は少し水彩画寄りです。透明感が強く、ガッシュらしいマットな質感がやや弱くなっていました。ここで、ちょっと悩みます。
「この絵、単体では好きなんだけどなぁ……」
でも、今回作っているのは一枚のイラスト作品ではありません。一冊の絵本です。ページをめくるたびに、画材が変わったように見えるのは避けたいところ。
そこで、もう一度着彩を調整することにしました。
柔らかさは残して、透明感だけを抑える

次に制作したのが、Stage3-Bです。
今回の調整方針は、
Keep the softness. Reduce the transparency.
「柔らかさは残す。透明感だけ少し抑える。」
というもの。
最初の絵が持っていた優しい色の揺れは残します。そのうえで、水彩的な透明感だけを少し抑え、ガッシュ絵具の重ね塗りを強めました。

すると、ビーバー兄弟の木のおもちゃのような丸みも自然になり、Scene4との画風のつながりも改善しました。
最終的には、Stage3-Bを採用!ここで大切だったのは、最初の案が悪かったから修正したわけではないことです。
一枚の絵として好きかどうかと、一冊の絵本として合っているかどうかは別の問題。
今回の比較で、そんなことを改めて実感しました。
5. 小さな生成エラー!でも、AIでは直しませんでした
Stage3の着彩は、かなりいい仕上がりになりました。ただ、細かく確認すると、小さな生成エラーがいくつか見つかりました。
デブラのゴーグルとエビの目に異変が……

例えば、デブラのゴーグルやエビの目の周辺です。一部に、意図しない点やノイズのようなものが発生していました。
こういうものを見つけると、ついAIに「ここを直して!」とお願いしたくなりますよね。でも、今回は再生成しませんでした。
なぜなら、着彩そのものはすでに成功していたからです。
数分の手作業のために、全部を作り直さない
今回のような小さなエラーであれば、CLIP STUDIO PAINTで局所的に修正できます。
一方、AIに再生成してもらうと、直したかった部分以外まで変化する可能性があります。せっかく成功した色合いや塗りムラ、キャラクターの丸みまで変わってしまったら、もったいないですよね。
そこで今回は、生成エラーを後のCLIP STUDIO PAINTでの修正対象として残すことにしました。ここで役立ったのが、以前のSceneでも学んだ考え方です。
AIで直せることと、AIで直すべきことは違う。
AIに任せた方がよい作業もあれば、人間が手作業で直した方が安全な作業もあります。何でもAIで解決しようとしないことも、制作を安定させるための大切な判断なんですね。
6. Stage4|漫画っぽさの原因は、輪郭線の「太さ」ではなかった!
続いて、輪郭線の調整です。今回のStage4では、かなり大きな発見がありました。
なぜか、まだ少し漫画っぽい……

最初のLine Integrationでも、原画の形はしっかり維持されていました。輪郭線も、ある程度柔らかくなっています。
でも、どうしても少しだけ漫画っぽい印象が残っていたんです。「まだ線が強すぎるのかな?」最初はそう考えました。
でも、よく観察してみると、原因は単純に線が太いことではありませんでした。問題だったのは、線が均一すぎることだったんです。
線が全部同じだと、黒い線で囲われたように見える
例えば、キャラクターの輪郭線が、どこも同じ太さ、同じ濃さ、同じ存在感だったらどうでしょう?絵としては見やすいかもしれません。
でも、柔らかなガッシュ絵具の世界では、少し浮いて見えることがあります。そこで、考え方を変更しました。
Keep the drawing. Break the uniformity.
「描線は残す。均一さだけを崩す。」
線そのものを消すのではなく、場所によって表情を変えることにしたんです。

太いところ、細いところ。濃いところ、薄いところ。少しかすれるところ、絵具が滲んだように見えるところ。

そして、光や水の中へ溶けていくところ。こうした違いを作ることで、線にも自然な揺らぎが生まれます。
黒線で囲われた亀が、水中にいる亀へ!

今回、この違いが特に分かりやすかったのが亀でした。最初の案では、亀の体が比較的均一な輪郭線で囲まれています。
それを場所ごとに柔らかく調整すると、輪郭の一部が水や光へ自然になじむようになりました。まるで、亀が本当に水中に存在しているような印象です。
ただし、全部の線を消すわけではありません。今回の亀は怒っています。その表情まで弱くなってしまっては困りますよね。
そこで、外周線は柔らかくしながら、怒りや驚き、不安を伝える表情線は残しました。
このときに生まれたのが、
Some edges hold. Some edges disappear.
「残る輪郭もあれば、空気へ消える輪郭もある。」
という考え方です。
そしてもうひとつ。
Soften the outline. Preserve the emotion.
「輪郭は柔らかく。感情はそのまま。」
今回のStage4では、線を消すことよりも、線の役割を考えることが重要でした。漫画っぽさの原因は、輪郭線があることではなく、輪郭線が均一すぎることだった。
これは今後のイラスト制作でも、かなり役立ちそうな発見です!
7. Stage5|統一したら、逆にのっぺりしてしまった!
次は、画面全体の空気感を統一する工程です。
Project LUMINAでは、この工程を「One Atmosphere」と呼んでいます。背景もキャラクターも、同じ光や空気の中に存在しているようにまとめる作業ですね。
7人が同じ海にいる感じを出したかったのに……
今回は7人ものキャラクターがいるので、この工程が特に重要でした。

ところが、最初のStage5で少し困ったことが起きました。全体の統一感は増したんです。
でも、なぜかキャラクターが少しのっぺりして見えるようになってしまいました。

最初は、水中の青が少し強くなったことが原因かと思いました。そこで、水の色や軽やかさを調整したB案も制作しました。
すると、海中の色合いは改善しました。でも、まだ何かが違います。キャラクターの表面が、どうも平坦に見えるんです。
本当に失われていたのは、絵具の個性でした
そこで、Stage4の画像まで戻って比較してみました。すると、原因が見えてきました。
Stage3〜4では、キャラクターそれぞれに微妙な塗りムラや絵具の重なり、滲みがありました。
ビーバー兄弟には、柔らかな茶色の揺れ。デブラには、緑色の塗り重ね。マンタには紫色の微妙な変化。亀には淡い緑色の表情。カニとエビにも、赤や橙色の絵具らしい色ムラがあります。
ところが、全体の空気感を統一する過程で、こうした細かな違いまで均一になってしまっていたんです。
つまり、問題は水の色だけではありませんでした。
空気を統一しようとして、絵具の質感まで統一してしまった。
これが、のっぺり感の原因だったんですね。
ひとつの空気。ひとつの絵肌ではない。

そこで、もう一度Stage4の良さを基準にして調整しました。
全員が同じ水中の光を受けている。でも、それぞれのキャラクターが持っている絵具の質感は残す。そんな方向へ修正していきます。

そして、最終候補3枚を比較した結果、3枚目を採用しました。

ここで生まれたのが、今回最大の発見ともいえる言葉です。
One Atmosphere, not One Texture.
「ひとつの空気。ひとつの絵肌ではない。」
さらに、
Share the air. Preserve the paint.
「空気は共有する。絵具は残す。」
という考え方にもたどり着きました。
これ、今回の制作を通して特に印象に残った部分です。
全員を同じ世界へなじませたいからといって、全員の質感まで同じにする必要はないんですね。むしろ、それぞれの違いが残っているからこそ、キャラクターとしての個性が感じられます。
統一することと、均一にすることは違う。
今回のStage5は、その違いを実感する工程になりました。
8. Stage6|印刷向けに補正したら、色が強くなりすぎた!
いよいよAIによる制作の最終工程です!
Stage6では、実際に印刷したときに色や細かな階調が失われないように、必要な部分を保護します。
今回、特に注意したのは、水深を感じさせる青〜青緑色の階調や、キャラクターそれぞれの微妙な色の変化です。
最初の印刷保護は、ちょっと鮮やかすぎる?

最初に制作したStage6-Aでは、こうした情報がしっかり保護されていました。
ところが、画面上で比較すると、少し気になることがありました。彩度とコントラストが強くなっていたんです。
特に、ビーバー兄弟の茶色、デブラの緑色、カニとエビの赤や橙色が、前のStageよりも鮮やかになっていました。

一枚の絵として見れば、発色が良くなったともいえます。
でも、Project LUMINAで目指しているのは、柔らかなガッシュ絵具の世界です。ここで色を強くしすぎると、Stage5までに作った繊細な雰囲気が変わってしまいます。
守るのは鮮やかさではなく、色の階調

そこで、Stage6-Bを制作しました。
今回の調整方針は、
Protect the range, not the punch.
「強さではなく、階調を守る。」
というものです。
例えば、ビーバー兄弟の茶色。単に茶色を濃くするのではなく、その中にある微妙な明暗や色の変化を残す。
デブラの緑色も同じです。緑を鮮やかにするのではなく、重ね塗りによって生まれた色の揺れを守る。
マンタの紫や亀の淡い緑、カニとエビの赤や橙色についても、同じ考え方で調整しました。

結果として、Stage6-Bではキャラクターの柔らかさを残しながら、水中の奥行きや青緑色の階調も保つことができました。最終的に、こちらを正式採用しました!
印刷保護は、画面で主張しなくていい
今回のStage6では、もうひとつ大切な考え方が生まれました。
Print protection should be felt on paper, not announced on screen.
「印刷保護は、画面で主張するのではなく、紙の上で効く。」
というものです。
Stage6の画像を見た瞬間に、「わあ!鮮やかになった!」と感じる必要はありません。むしろ、Stage5とほとんど同じ見た目でいいんです。
実際に印刷したときに、水中の奥行きや微妙な色の階調が失われずに残っていれば、それが成功です。
そこで今回のStage6では、
Protect the paint. Don't polish it.
「絵具を守る。磨き直さない。」
という言葉も大切な原則になりました。
完成した絵をさらに派手にするのではなく、完成した絵具の表現を守る。今回も、この考え方でAIによる制作工程を完了しました。


なお、この段階ではAIによるリマスター作業が完了した状態です。
実物印刷で色や質感がどう見えるかは、この後の確認工程で検証して最終採用をチョイスした後でクリスタで手動修正する予定でした。
9. 今回のトラブルは、全部「引くこと」で解決しました!
ここまで今回の制作工程を振り返ってみると、面白い共通点があります。
実は、今回発生した問題は、どれも何かを追加することで解決したわけではありませんでした。
Stage3では、透明感が強すぎました。そこで、透明感だけを少し抑えました。
Stage4では、漫画っぽさが残っていました。そこで、線を消すのではなく、均一さだけを崩しました。
Stage5では、絵肌が平坦になってしまいました。そこで、統合処理を少し戻しました。
Stage6では、色が鮮やかになりすぎました。そこで、補正の強さを弱めました。
つまり、
今回の問題は、全部「引くこと」で解決したんです。
・何かを足す
・もっと描き込む
・もっと鮮やかにする
・もっと統一する
そんな方向へ進むのではなく、少し戻したり、弱めたり、余計な処理を止めたりする。
これは、AIを使った制作では特に重要な判断なのかもしれません。なぜなら、AIは何度でも新しい画像を生成できるからです。
でも、何度でも生成できるからといって、何度でも修正した方がいいとは限りません。むしろ、完成に近づくほど、何をしないかを決めることが大切になってくるように感じます。
ひとつの工程で、ひとつの問題だけを解決する
今回の制作が比較的スムーズだった理由も、ここにあります。Project LUMINAでは、各Stageの役割を分けています。
・Stage0は配置
・Stage1は演出設計
・Stage2は背景
・Stage3はキャラクターの着彩
・Stage4は輪郭線
・Stage5は空気感
・Stage6は印刷向けの保護
そして、比較実験でも一度にひとつの要素だけを変更しました。
・透明感が気になるなら透明感だけ
・線が気になるなら、線の均一性だけ
・絵肌が気になるなら、絵肌の保持だけ
・発色が気になるなら、補正の強さだけ
こうして変更する要素を絞ることで、何が良くなり、何が失われたのかを判断しやすくなりました。
問題が起きたときに、すぐ全体を作り直さなくてもいい。まずは、どの工程の問題なのかを見極める。そんな制作方法が、少しずつ身についてきたように思います。
10. Scene3からScene5へ。絵本制作の仕組みが育ってきました!
今回のScene5が完成したところで、ここ数日の制作を振り返ってみました。
すると、ちょっと面白い流れが見えてきたんです。

Scene3では、海中世界そのものの画風を作りました。柔らかな光、青緑色の水、ガッシュ絵具の質感。いわば、物語の舞台となる「世界」を作る工程でした。

次のScene4では、同じ世界のまま事件を起こす方法を学びました。海の色や光は変えず、キャラクターたちの感情だけを変える。これは、物語の連続性を保つための発見でした。

そして今回のScene5では、7人ものキャラクターを同じ世界へ統合しながら、それぞれの個性を残す方法を学びました。
こうして並べてみると、
Scene3=World(世界)
Scene4=Story(物語)
Scene5=Cast(役者)
という流れになっているんです。



世界を作る。その世界の中で物語を動かす。そして、そこに登場する役者たちを生き生きと描く。
一枚のイラストをきれいにするだけではなく、一冊の絵本として成立させるための仕組みが、少しずつ整ってきたように感じました。
まとめ|同じ絵具箱から、違う色を取って描く
さーて、そんなわけで『ビーバーとビーすけの竜宮城大作戦』のScene5「海の生き物たちに囲まれる」のリマスター工程をご紹介しました!
今回の制作で特に印象に残ったのは、次のことです。
・7人のキャラクターを同じ画風へ統一しても、個性まで同じにしない
・登場人物が多い場面ほど、背景には余白が必要になる
・一枚の絵として好きな案と、シリーズに合う案は違うことがある
・漫画っぽさの原因は、輪郭線そのものではなく均一さにある場合がある
・空気感を統一しても、キャラクター固有の絵肌は残す
・印刷向けの調整では、鮮やかさよりも色の階調を守る
・完成に近づくほど、何を足すかより何をしないかが大切になる
そしてシーン5の制作中、特に心に残った言葉が、
Seven characters. One paintbox.
「7人の役者。ひとつの絵具箱。」
です。
マンタにはマンタの紫があります。亀には亀の淡い緑があります。ビーバー兄弟には木のおもちゃのような茶色があり、デブラには緑色の塗り重ねがあります。
カニとエビにも、それぞれ赤や橙色の絵具の表情があります。みんな違う。でも、同じ絵具箱から色を取り、同じ海の光を受け、同じ水の中で呼吸している。
そんな世界を描きたかったんです。
今回の制作では、AIにすべてを均一に整えてもらうのではなく、あえて違いを残すことが重要でした。
統一する。でも、均一にはしない。
これは、これからもProject LUMINAの制作で大切にしていきたい考え方です。
そして、Scene3で世界を作り、Scene4で物語を動かし、Scene5で役者たちを生かす。
こうして少しずつ、自分の描いた原画が一冊の絵本の世界へと育ってきました。これからも、AIに任せる部分と自分で判断する部分を見極めながら、ビーバーたちの物語を完成させていきたいと思います!
以上、ふるもーすでした!次はシーン6です!
📖試行錯誤の先に、一冊の絵本が生まれました。

AIと一緒に悩み、描き直し、何度も試して完成した『ビーバーとビーすけの竜宮城大作戦』。
この制作ログで紹介してきたイラストや物語が、実際に一冊の絵本になっています。あなたもビーバーたちと一緒に海の冒険に出かけませんか?

『ビーバーとビーすけの竜宮城大作戦』
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Project LUMINA|竜宮城大作戦 制作ログ総まとめ
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